電気電子系 News
IEEEのパワーとエネルギー部門がモータ、発電機などに顕著な功績を挙げた人を毎年一人表彰します。
東京工業大学 工学院 電気電子系の千葉明教授(電気電子コース 主担当)が2023年IEEE( Institute of Electrical and Electronics Engineering) PES(Power and Energy Society) Cyril Veinott Electromechanical Energy Conversion Awardを受賞しました。
この賞は電気機械エネルギー変換に優れた業績をあげた個人に贈呈される賞です。2023年7月19日に米国フロリダ州オーランドで開催されたIEEEのPower and Energy General Meetingにて受賞式が執り行われました。
Cyril Veinottさんはウエスティングハウスで小さな出力の誘導機に貢献された方です。著書は本学の図書館にも保存されております。1958年に出版された本では、単相の誘導機の始動方法に関する色々な記載があり、当時の冷蔵庫、洗濯機などの自動化に貢献された方です。第2回(1977年)のIEEEのTechnical Field Awardsの一つのNikola Tesla賞を受賞されています。当方のTesla賞は2020年受賞で、43年後でした。なお、1958年は当方が生まれる2年前であり、テレビ、冷蔵庫、洗濯機が三種の神器と言われていた頃です。その時代に多くの人が利用できるようなモータをCyrilさんは研究開発して論文、本等にまとめられ、その後世界各地に広がったのだろうと思います。この賞はたぶん、Cyrilさんの寄付によって始まった賞であると思います。2000年からスタートした賞であり、日本人、アジア人としては初めての受賞のようです。当方はまず、Cyrilさんの功績を称えたいと思います。
当方の受賞のサイテーションは、「ベアリングレスモータ、リラクタンスモータに関する貢献」です。ベアリングレスモータは磁気浮上して非接触で回転するモータです。最近では、ワクチンを製造する工程で用いられているようです。非接触磁気浮上するため、金属などの粉が発生しない特長があります。
受賞式では、テーブルには他の賞の受賞者と一緒になりました。初めての人が多かったのですが、どのかたも友達の友達であることがわかり、和気あいあいとしました。当方は20年前からこの学会に参加しはじめ、モータサブ委員会の幹事から、委員長、元委員長など10年間パネルセッションの開催等に務めました。いつかは当方も壇上に上がる日が来ればと思っていました。今回、初めて壇上に上がることができたのは大変うれしかったです。
上の受賞写真の右側の女性の方がPESの会長で、左側が表彰委員会の委員長です。
※8月2日 8:50 本文中に誤りがあったため、修正しました。