電気電子系 News
PVD-WS2-Film Crystallinity Dependence on Sputtering Temperature
今回、電気電子系85名の中から9名が、特定課題研究に関する優れた論文発表を行い、この賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
伊東 壮真さん(若林研究室)
本研究では、次世代半導体材料として期待される二次元層状物質TMDC(遷移金属ダイカルコゲナイド)の一つであるWS2の成膜技術の向上に取り組みました。
TMDCは、わずか3原子層の厚さを持つ層状構造を持ち、単層でも適切なバンドギャップを示す半導体材料です。さらに、層間で共有結合を持たないため、理論的には高い電子移動度を実現できる特性があります。これらの特長から、GAA(Gate-All-Around) や CFET(Complementary FET) などの次世代トランジスタのチャネル材料として有望視されています。
本研究では、スパッタリングを用いたWS2薄膜の成膜と、熱処理による結晶性の向上に取り組みました。これにより、より高品質なWS2薄膜の作製が可能となり、TMDCを用いたトランジスタの実用化に貢献することが期待されます。最終的には、LSI(大規模集積回路)が支えるAI、クラウド、通信技術等の更なる発展に寄与すると考えています。
学士優秀学生賞を受賞することができ、大変光栄に思います。
研究室の皆様、関係する先生方に温かく支えていただき、心より感謝申し上げます。
また、お忙しい中、丁寧にご指導くださった若林先生には、特に深く御礼申し上げます。
今後もこの成果を活かし、より一層研究に励んでまいります。