電気電子系 News
自動車駆動用IPMモータにおける高調波電流重畳による円環0次振動の低減
今回、電気電子系164名の中から17名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
私は自動車駆動用IPMモータの振動騒音低減について研究しました。本研究は、モータの振動騒音低減により、電気自動車・ハイブリッド自動車の静粛性・快適性の向上に期待できます。自動車駆動用モータでは、円環形状を維持した膨張・収縮の振動(円環0次振動)が問題となっており、この円環0次振動を低減することが本研究の目的となります。モータ振動は、モータ内部で発生する電磁力により引き起こされます。そこで、通常の三相電流へ高周波の電流(高調波電流)を重畳することで、振動を励起する電磁力の低減に取り組みました。本手法は、電流制御の変更のみで実現することができ、追加の装置を必要とせず、既存モータへの適用も可能です。対象のIPMモータでは、モータ駆動周波数fの6倍・12倍の周波数で円環0次振動が発生するため、電流基本波へ6f・12fで脈動する高調波電流を重畳し、モータの振動騒音を解析および実験で評価しました。
今回、優秀修士論文賞という素晴らしい賞を受賞することができ、大変嬉しく感じます。修士課程の2年間、本研究に関して多くの指導をいただいた千葉先生、藤井先生に心より感謝申し上げます。大学院入学当初は、右も左もわからないような状態でしたが、修士課程を経て、大きく成長できたと感じております。春から社会人として新たな道に進みますが、修士課程での経験を活かし、頑張りたいと思います。