電気電子系 News
循環型プラズマ処理のためのマルチ電極プラズマアクチュエータの開発
今回、電気電子系約100名の中から9名が、特定課題研究に関する優れた論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
沖野研究室では、プラズマ中で生成される活性種を用いたウイルス不活化や殺菌の研究を行っています。消毒耐性の低い新型コロナウイルス等のエンベロープウイルスや大腸菌などの一般細菌には、オゾンなどの長寿命の活性種も有効であることが明らかになってきました。そこで、長寿命の活性種を再利用して消毒能力を高める、循環型プラズマ処理装置を考案しました。しかし、通常のポンプやファンを用いて高濃度の活性種を含む気体を流すと部品の破損を招きます。そこで私の研究では、プラズマアクチュエータを用いた気流の発生装置を開発しました。設計の容易さや実用化を考慮して、電子回路基板に電極を印刷して装置を製作しました。流速を上げるために電極を多段に配置した装置を20 種類以上設計・試作し、多くの実験を行いました。その結果、最大で0.45 m/sの流速を得ることができました。さらに、高濃度のオゾンを含む気体でも問題なく気流を発生できることを確認しました。この装置を用いて、物質表面や大気中のウイルス不活化、殺菌ができる実用規模の装置を開発したいと考えています。
思いがけず学士優秀論文賞をいただけて大変光栄です。装置の設計や製作から丁寧に指導してくださった沖野先生、実験や発表準備で大変お世話になった研究室の先輩方に感謝します。修士課程でも、がんばって研究をすすめたいと思います。