電気電子系 News

優秀修士論文賞 受賞! #11 ― カン サビナさん(飯野研究室)―

Study on Ph-BTBT-10 Thin Film Transistors with Silver Electrodes

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2020.04.14

今回、電気電子系約140名の中から15名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。

カン サビナさん(飯野研究室)

カン サビナさん

この研究はどんな内容で、どのように世の中の役に立つことが期待できるのでしょうか?

有機半導体は、フレキシブルで大面積・低コスト電子デバイスへの応用が期待されています。近年飯野研究室で開発された液晶性有機半導体(Ph-BTBT-10)は高移動度を達成しかつ、溶液プロセスによる実用化が期待されています。有機電界効果トランジスタ(OFET)デバイスでは多くの研究において、ソース/ドレイン(S/D)として金電極を用いています。しかし、価格の高い金の利用は低コスト電子デバイスの利点を相殺するため、大きなエネルギーレベルのミスマッチを有するものの低コストの銀電極の利用が求められています。本研究では、液晶有機半導体Ph-BTBT-10のOFETに銀電極を用い、高性能・低コストOFETの作製を目指し、有意な結果を得ることができました。トップコンタクトの場合、金電極よりも銀電極を用いたOFETが優れた性能を表し、ディスプレイへの応用の可能性が示唆されました。さらに、このアプローチにより、インクジェット法などで銀電極を作製する超低コスト印刷プロセスの実現も期待されています。

受賞の感想 などを一言

修士課程の2年間は実験も解釈も上手くできないことが多く、たくさんのミスや失敗の連続でした。時には、この研究をどう進めば良いかわからなく、私ではこの問題は解決できないだろうと、落ち込むこともありました。しかし、飯野研究室の先生方、研究員の方々、そして仲間たちからの様々なコメントとアドバイスのおかげで、私一人では思いつかなったアプローチや、気づけなかった有意味な結果などを逃さずつかむことができました。このように研究室の皆さんのサポートで、研究をどんどん進めて論文にまとめることができました。今回の受賞はとても嬉しく、感謝の気持ちを伝えたいです。これから研究を始める方々も、自分では重要であると思わない小さなデータでも他の人に見せて議論し、たくさんのモティベーションとアイディアが得られればと思います。

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