電気電子系 News
応用物理学会主催でIEEE, EDS共催の国際会議IWJT 2025
若林整研究室のJang Jaehyoさんが応用物理学会(JSAP)主催で、IEEE, Electron Device Society (EDS) 共催の国際会議である22th International Workshop on Junction Technologies (IWJT 2025) において、Young Awardを受賞しました。
本会議は6月5日から6日まで京都大学の宇治キャンパスで開催されました。
発表のタイトルは"P-type doping of PVD-MoS2 film with nitrogen annealing accelerated by hydrogen incorporation"です。
受賞式でのProgram Committee ChairとJang Jaehyoさん
半導体産業がデバイス寸法の限界に挑む中で、電界効果トランジスタ(FET)の更なるスケーリングへの要求が一層高まっています。そうした次世代半導体材料の有力候補のひとつとして注目されているのが、優れた電気的特性および物理的特性を有する二次元材料である遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)です。
これらの特性により、TMDCは将来のトランジスタ技術の可能性を広げる上で重要な役割を果たすと期待されています。
本研究では、最も広く研究されているTMDCの一つである二硫化モリブデン(MoS2)に対して、p型ドーピングの実現に取り組みました。TMDCに対するドーピングは技術的に困難とされていますが、非破壊的な手法によりMoS2のp型ドーピングに成功しました。特に、MoS2は産業適合性の高いボトムアップ成膜法である物理蒸着法(PVD)により成膜されており、本研究はTMDCを商用半導体プロセスへと統合するための一助となることが期待されます。
今後は、シリコン技術と共存し得る、あるいはそれを凌駕する可能性を有する高性能なTMDC FETの作製を目指します。