電気電子系 News

2024年度優秀修士論文賞 受賞!― 鈴木 皓大さん(廣川・戸村研究室)―

衛星搭載用折り畳みリフレクトアレーアンテナの偏波変換・広帯域化の研究

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2025.04.07

2024年度は電気電子系151名の中から14名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。

指導教員の戸村崇助教(左)と鈴木皓大さん(右)

指導教員の戸村崇助教(左)と鈴木皓大さん(右)

この研究はどんな内容で、どのように世の中の役に立つことが期待できるのでしょうか?

私は近いうちに打ち上げ予定の超小型人工衛星OrigamiSat-2搭載用リフレクトアレーアンテナの研究とリフレクトアレーアンテナの広帯域化に関する研究を行いました。

最近は低コストで打ち上げ可能なことから小型人工衛星の開発が盛んに行われています。一般的に大型なアンテナほど性能は良くなりますが、小型人工衛星搭載用アンテナは様々な制約から軽量かつコンパクトなものが求められ、剛体(硬い基板)を用いたアンテナには限界が来てしまいます。私たちが開発しているOrigamiSat-2では折り紙のように折りたたむことができる基板を採用し、今までの剛体基板を使ったアンテナよりもはるかに軽量でコンパクトにすることを可能にしました。打ち上げ時にはコンパクトに折りたたんだ状態で人工衛星に収納し、宇宙空間でアンテナを展開することで小型人工衛星に大型のアンテナを搭載可能にしています。OrigamiSat-2では折り畳みに適したリフレクトアレーアンテナという種類のアンテナを採用し、私は折り畳みによる制約を考慮しつつ、円偏波送信が可能となるリフレクトアレーアンテナの設計についての研究をしました。この他にも、人工衛星を用いた地球観測レーダーでは広帯域な特性が求められることに注目し、リフレクトアレーアンテナの広帯域化設計の研究も行いました。これらの研究は、より低コストで高品質な宇宙サービスを提供することの第一歩となり、宇宙事業の発展に大きくつながると考えています。

受賞の感想

このような素晴らしい賞を受賞できたこと、非常にうれしく思います。私の研究は一人でできない部分も多く、先生方や研究室の方々にたくさん助けていただきました。多くの方の助けがあって受賞できたことと思っています。皆様に心から感謝しています。特に指導教員の戸村助教は研究を始めたばかりで右も左もわからなかった私に対し、親身に相談にのってくださり、多忙な時期でも決して突き放すことなく、いつでも力になってくださいました。戸村助教のおかげで今までの人生で最も充実し、楽しく、幸せな時間を過ごすことができました。4月からは社会人として働きますが、この賞、研究室に恥じないよう精進して参ります。

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