電気電子系 News
CIGS太陽電池裏面コンタクト挿入用LiドープNiO薄膜の製膜および、電気・光学特性の評価
2024年度は電気電子系105名の中から10名が、特定課題研究に関する優れた論文発表を行い、この賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
CIGS太陽電池は一般的に、SLG/Mo/CIGS/CdS/ZnO/ZnO:Al の積層構造をとり、薄膜化、フレキシブル化が可能であるため、車載やビル、電柱など曲面での導入が可能です。そのため、平地面積の小さい日本において注目を集めております。 CIGS太陽電池の変換効率は、バッファ品質、バルク品質を改善することで向上されており、現在23.64%を記録しております。しかし、近年変換効率増加は鈍化傾向にあります。
ここで本研究では、CIGS太陽電池のMo/CIGS界面にあたる裏面コンタクトに着目し、こちらの品質を改善することで変換効率改善を図りました。裏面コンタクトには、アクセプタ密度が高い正孔輸送層を挿入することで品質が改善可能性があり、NiOは室温で安定でかつ、Liをドープすることで高いアクセプタ密度を得られるため、CIGS太陽電池裏面コンタクト挿入用のLiドープNiO(NiO:Li)の製膜および、その電気•光学特性の評価を本研究の目的としました。
NiO:Li薄膜はRFマグネトロンスパッタにより製膜をいたしまして、スパッタ装置内に圧力勾配をかけるPGSモード、および従来の圧力勾配をかけないnormalモードの2つのモードで行いました。PGSモードでは基板付近が低圧、ターゲット付近が高圧であるため、製膜レート向上などのメリットが期待できます。結果といたしましては、PGSモードにより製膜したNiO:Li薄膜はnormalモードにより製膜した薄膜よりも酸素濃度が低いことが判明しました。また、NiOは酸素濃度が低下すると、欠陥が減少し、導電性低下が起こることも判明いたしました。このように、NiO:Liの特性が判明すると、CIGS太陽電池の裏面コンタクト挿入に向けた、NiO:Li製膜における適切な条件設定の指針になると考えております。
学士優秀学生賞を受賞することができ、大変光栄に思います。 このような賞を受賞することができたのも、ご指導をいただいた先生方や研究室メンバーのおかげです。 この場を借りて深くお礼申し上げます。 今後もこの成果を活かし、より一層研究に励んでまいります。