電気電子系 News
磁壁駆動型磁性細線メモリの実現に向けて
今回、電気電子系151名の中から14名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです
加々美尚さん(右)と指導教員のPham先生とのツーショット写真
磁性細線メモリは隣り合う磁区間の磁壁を移動させることにより、磁区(ビット)を空間的に移動させることにより動作します。したがって、各ビットの読み出しと書き込みにゲート配線が不要であり、デジタル社会における情報量の爆発的増加に対応可能な次世代メモリとして期待されています。
磁性細線メモリの動作には磁区を制御(ビットを制御)することが重要であり、そのためには磁壁移動のメカニズムを明らかにする必要があります。磁壁の観察には主に磁気Kerr顕微鏡法による視覚的手段が用いられていますが、超微細細線(~nm)には適用が困難です。
本研究では、異常ホール効果を利用した電気的手法により、マルチ端子を用いて磁壁移動の観測を行いました。マルチ端子を利用することで、超微細磁性細線における磁壁移動をより詳細に評価でき、将来的な磁性細線メモリの実現に貢献することが期待されます。
優秀修士論文賞に選出していただき、大変光栄に思います。研究を進めるにあたり、貴重なご議論やご助言を賜りました先生方、研究室の皆様、ならびに共同研究者の皆様に、心より感謝申し上げます。多くの方々のご支援により、本成果を得ることができました。