電気電子系 News
今回、電気電子系85名の中から9名が、特定課題研究に関する優れた論文発表を行い、この賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
東日本大震災や阪神・淡路大震災に代表されるように日本は地震による被害に度々見舞われています。また、未曾有の大災害である南海トラフ地震の40年以内発生確率は90%と言われており、災害対策の確立が喫緊の課題となっています。
こうした災害において、人的被害を可能な限り抑制するためには迅速な救助活動の実現が重要です。そのために被害状況、特に被災者数の素早い把握が必要となりますが、東日本大震災では水没や流出による通信インフラの麻痺により情報収集が困難となりました。
このような背景から本研究では、救助活動の円滑化・迅速化に貢献するために、被災者数を素早く把握することを目的とした地上の通信インフラに依存しない人口分布推定システム、具体的には携帯端末の無線LAN電波を利用した低軌道衛星による人口分布推定システムを提案しました。
さらに、MATLABを用いた理想的な条件下での数値解析によって提案システムの実現性評価を図り、その結果、エリア内に携帯端末が1〜100台存在するケースにおいて各台200回ずつ推定を行なったときの推定誤差平均が2.254台と得られ、システムの実現可能性を示唆することができました。
この研究が進めば、災害発生時に素早く被災者数を把握することができ、救助活動の迅速化につながり結果として犠牲者数が減少することが期待できます。
この度は、学士優秀学生賞を頂き大変光栄に思います。通信分野に対する知識や研究スキルが未熟だった私に対して手厚くサポートしてくださった指導教員のタン先生をはじめ、阪口・タン研究室のメンバーの皆さんのおかげでこのような賞を頂くことができたと思います。この場をお借りして御礼申し上げます。
また、地元から応援し支えてくれている家族や親戚、友人たちにも深く感謝します。
修士課程でも引き続き研究活動に励みたいと思います。