電気電子系 News
分散型光電気ブレイン・マシン・インターフェース向け CMOS回路の研究
今回、電気電子系166名の中から16名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
現代の脳神経科学の分野では、動物実験が一般的に行われています。このような実験では電気や光など多様な媒体を駆使して脳を刺激・観察することになります。また、対象となる動物の形態やサイズも様々です。
そこで我々の研究室では、このような多様な動物実験に対応するための新しいBMI(Brain Machine Interface)を提案しています。具体的には、初めから形の決まったものを体内に埋め込むのではなく、ペンの先ほどのごく小さなデバイスを分散させて脳表面の各ポイントに配置し、連携して動作させます。この構造によって、手術中や実験中の動物への負荷を最小限に抑えつつ、多点での計測・刺激を実現できます。また、個々のデバイスが光と電気の両方を扱えるようにすることで、多様な実験に対応します。
私の研究では、このデバイスの実現に必要な回路を設計・試作し、各機能の検証や複数デバイスの連携のデモンストレーションなどを行いました。
脳神経科学の知見は、医療や心理学から情報工学・エンターテインメントまで様々な分野に活かされています。本研究で目指す、簡便かつ多機能なBMIは、より多様な実験を可能にすることで、脳神経科学の研究の発展に貢献します。
日頃からご指導とご助言をいただいた德田先生、横式先生、そして研究室のメンバーに深く感謝申し上げます。
また、研究に専念できる恵まれた環境を与えてくれた家族に、深く感謝します。
愛着のある研究テーマであり、評価頂けて大変嬉しく思っています。卒業後も回路設計に携わることになるので、研究を通じて学んだことを活かし、誠実に仕事をしていきたいと思います。