電気電子系 News
今回、電気電子系約70名の中から9名が、特定課題研究に関する優れた論文発表を行い、この賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
私たちの研究室ではダイヤモンド中の窒素空孔中心を利用した高感度ダイヤモンド量子磁気センサの研究を行っています。窒素空孔中心の持つ量子力学的なスピンをレーザーやマイクロ波を用いて制御し、ダイヤモンドからのスピン状態に依存した蛍光を観測して磁場の測定を行います。ダイヤモンド量子磁気センサは室温動作が可能なほか、空間分解能が高いことやダイナミックレンジが広いという特徴があり、将来、医療診断やライフサイエンスへの応用の期待が高まっています。しかし一方で、ダイヤモンド量子磁気センサの磁場感度はそれらの応用にはまだ十分でなく、高感度化が求められています。そこで、本研究では磁場感度向上のため、蛍光の集光量を改善する集光系を構築したほか、現在支配的なレーザー強度ノイズを低減させるためにバランス検出の改善を行いました。この結果、磁場感度を向上できました。私たちの研究室は東京大学の関野研究室と共同で生きたラットの脳磁の計測に取り組んでいます。医療診断などへの応用においてダイヤモンド量子センサによる脳磁の検出は重要であるものの、未だ実現されていません。今後、本研究を活かしてラットの脳磁計測を実現に近づけたいと考えています。
このたびは学士優秀学生賞をいただき、大変光栄に思っております。私にはまだまだ未熟なところが多く、このような素晴らしい賞をいただけたのは、たくさんの方々に支えられたおかげです。波多野先生、岩崎先生、関口先生、そのほか先輩や同期など研究室の皆様に深く感謝申し上げます。また、家族や友人にも支えられていることを改めて実感いたしました。本当にありがとうございました。