電気電子系 News
環境光駆動IoTエッジデバイス向けエナジーハーベスティングスイッチ回路の研究
今回、電気電子系約70名の中から9名が、特定課題研究に関する優れた論文発表を行い、この賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
德田研究室ではIoT(Internet of Things、モノのインターネット)のうち、IoE(Internet of Everything、あらゆるモノのインターネット)の実現に向けた超小型のエッジデバイスの研究を行っています。重要な特徴として、太陽電池による光エナジーハーベスティングの考え方を採用しています。太陽電池は面積を小さくしても一定の電圧を確保できるので、直列接続しキャパシタ・CMOS制御回路と組み合わせることで超小型の電源システムを実現することができます。私の研究はそのCMOS制御回路に関する研究です。
德田研究室では以前からこの光給電システムに関する研究を行ってきましたが、従来型のCMOS制御回路は最低駆動電流が大きかったため、太陽電池に能動的に光を照射しなければ駆動することができませんでした。そこで私たちは新たな2容量型のトポロジを提案し、設計・評価を行いました。その結果、最低90ルクスの環境下での回路駆動のデモンストレーションに成功しました。90ルクスは夜の街灯の下程度の明るさであり、この結果はかなり暗い環境でも回路が駆動できることを示しています。また、回路の性能改善にも取り組みました。
本研究で取り扱った回路は新しい回路で文献が少なかったため、動作原理を理解するのに苦労しました。
この度は栄誉ある賞を頂戴し光栄に思います。ここまで研究が続けられているのは、指導教官の德田先生や助教の横式先生をはじめとする様々な方々のご指導ご鞭撻のおかげです。この場を借りて、感謝申し上げます。