電気電子系 News

2022年度優秀修士論文賞 受賞!― 小野 凌さん(若林研究室)―

PVD非晶質MoSx膜への固相成長によるMoS₂膜質向上

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2023.04.04

今回、電気電子系164名の中から17名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。

小野 凌さん

小野 凌さん

この研究はどんな内容で、どのように世の中の役に立つことが期待できるのでしょうか?

本研究では、次世代トランジスタのチャネル材料として有望視されている、二硫化モリブデン(MoS2)の膜質向上に取り組みました。MoS2堆積には、産業応用が期待されるスパッタと呼ばれる成膜手法を用いましたが、スパッタ法のみで膜質の高いMoS2を形成することは難しいことが先行研究から明らかになっています。従来は、結晶化されているMoS2をスパッタ成膜し、それを熱処理することにより、さらに膜質を向上させるプロセスが取られていました。一方で本研究では、非晶質のMoS2をスパッタ成膜し、それを熱処理することで膜質を向上させるプロセスに焦点を当てました。結果として、従来サンプルと比較して膜質の高いMoS2の作製に成功することができました。更なる膜質向上のため、熱処理の最適化を今後進める必要がありますが、スパッタMoS2膜の膜質向上に従来とは別のアプローチから取り組むことができました。本研究の発展により、MoS2膜のトランジスタ応用が期待されます。

受賞の感想

この度は優秀修士論文賞を頂くことができ、大変嬉しく思います。本受賞は、学部4年からお世話になった若林先生、川那子先生、宗田先生、研究室の皆様のサポートがあってこそだと、深く感謝申し上げます。実験を行っても結果が出なかったときに真摯に相談に乗っていたおかげで、結果が得られ、学会発表や論文執筆といった充実した研究室生活を送ることができました。今後も研究室で学んだことを活かして、世の中に貢献していきたいと思います。

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