電気電子系 News
今回、電気電子系164名の中から17名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
半導体の材料であるSiよりもパワーデバイス材料として優れているGaNを用いたデバイス開発を行いました。高速動作と低消費電力を両立するためCMOS回路の採用が望ましいですが、GaNのpチャネルデバイスは性能が充分でなく、高性能化が必要となります。そこで分極接合基板という構造を取り入れ、特に本研究ではデバイス作製プロセスであるエッチングプロセスについて着目しました。従来の加工プロセスとは異なる原子層エッチングと呼ばれる原子層を1層または複数層取り除くプロセスを用いて、より低ダメージなプロセス条件を検討しました。窒素プラズマを用いた原子層エッチングにより界面状態が良好になり蓄積キャリアが増加しました。これらの結果はデバイス性能が向上したことを示唆しており、分極接合基板だけではなく平面型Pチャネルデバイスの適用にも期待できます。本研究の成果により、微力ではありますが低消費電力に向けた技術の1つとして貢献できたのではないかと考えています。
この度は優秀修士論文賞という素晴らしい賞を受賞できたこと大変嬉しく思います。本受賞は、筒井先生、星井先生をはじめご指導いただいた先生方、共に悩み議論してくれた研究室のメンバー、そして家族、友人の支えによるものだと実感しており、心より感謝申し上げます。海外での学会発表など貴重な体験をさせていただきとても実りある大学院生活を過ごすことが出来ました。4月から社会人となりますが、研究室を通して学んだ多くの事を活かし精進していきたいです。