電気電子系 News

情報ストレージ工学 -授業紹介#20-

  • RSS

2022.06.20

こんにちは、電電HPサポーターズです!
授業紹介シリーズでは電気電子系の特徴的な授業を学生目線で高校生・学士課程1年生向けにわかりやすく紹介します。
今回は大学院生向け情報ストレージシステムに関する授業の紹介です。

HDDの記録方式と情報記憶密度の変遷、授業担当の中川先生、授業担当の高村先生

HDDの記録方式と情報記憶密度の変遷、授業担当の中川先生(右上)と高村先生(右下)

皆さんが日常生活で使用しているPCには、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などの記憶装置が搭載されており、これらのおかげで様々なファイルを管理することができます。デジタル化が急激に進む現代において、扱われる情報の量も激増し、こういった記憶装置の需要も増加し続けています。しかし、これらの装置がどのようにして情報を記録しているのか、あまり意識したことがない方も多いのではないでしょうか。この授業では、そういった情報記憶装置の原理やそれに用いられる技術、歴史や今後の展望などを学ぶことができます。

この授業で学べる内容の例として、HDDについて少し紹介します。
HDDの情報記憶密度は1985年~2015年の30年間で10000倍以上になっています。この進歩には記録手法の変化や材料の改善など様々な技術的要因があります。この授業では、こういった技術についてより広く、より詳細な内容を学ぶことができます。

この授業は大学院向けの授業ですが、学部4年生でも受講することができます。
この授業を通して、普段当たり前のように使っている情報記憶装置の裏側を知ることができ、PCやスマートフォンに対しての見方が変わるかもしれません。

~担当の中川先生からの一言~

情報ストレージ工学で学んでほしいこと
高速に情報の書き込みと読み出しが可能で、大容量で信頼性が高い、かつ経済性に優れた理想的な情報記録・記憶(情報ストレージ)装置はなかなか存在しません。現代ではいろいろな記録原理をもとにした情報ストレージ装置がそれぞれの長所を生かし、さらに他の記録システムの短所を補う形で稼働して情報社会を支えています。この講義では大容量情報ストレージ機器として現在使用されているフラッシュメモリ、磁気ディスク、光記録、磁気テープなどを中心とした情報ストレージ装置・システムの記録原理やその長所・短所などの特徴やデバイス物理を超えた信頼性を実現するエラー訂正技術などを理解していただきたいと思います。
学生のみなさんに伝えたいこと
人が創出する情報の高度化と大容量化、そしてIoT装置が吐き出す大量のデータによって、私たちの生活や社会活動は充実し、ビッグデータを基にしたAIによる情報処理が当たり前になってきました。この状況を支え発展させるためには、高速・大容量・高信頼性を有する記録・記憶装置やシステムの不断の研究開発が必要です。この講義では現在使用されている情報ストレージ装置の原理・技術はもとよりその開発の歴史も振り返り、中にはいろいろな事情で使用されなくなったものや、未だ実現していない有望な原理や技術なども紹介しています。情報ストレージ技術の開発に必要なエッセンスや将来の技術開発のヒントになることを掴んでいただければと願っています。
  • RSS

ページのトップへ

CLOSE

※ 東工大の教育に関連するWebサイトの構成です。

CLOSE