電気電子系 News
導波管2面結合器における結合領域管軸方向の断面形状変化による広帯域化
今回、電気電子系約140名の中から13名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
山川奨太さん(左)と戸村崇助教(右)
本研究の目的はビームフォーミングを行う素子をより高速通信に向いたデバイスに改善することです。ビームフォーミングとは電波を特定の方向に向ける技術のことです。5Gで使用される電波は短い距離で弱くなってしまうという特徴がありますが、ビームフォーミングで電波を集中させることでユーザーに電波を届けることが可能になります。先行研究で設計されたデバイスは帯域が狭く、帯域が狭いと通信速度が十分に確保できないという問題がありました。そこで本研究では帯域が狭くなる原因となるパーツを再設計し、広帯域なビームフォーミング素子を実現することを目的としました。
近年では通信トラフィックの増加が問題となっております。これはスマートフォンの普及や動画コンテンツなどのデータ量の多いコンテンツが増加したことに起因します。このまま通信トラフィックが増加し続けると現行の通信方式では対応しきれなくなってしまいます。そこで本研究で提案するようなビームフォーミングデバイスを用いることで、データ量の多い通信にはビームフォーミングを用いた高速通信で対応し、データ量の少ない通信には現行の通信方式で対応すると言ったことが可能になります。自分の研究が評価していただけたということを大変嬉しく思っております。この度の受賞は日頃からご指導いただいた先生方、共に研究に励んだ研究室の仲間、私達学生をサポートしてくださった秘書様、そして私に学ぶ機会をくれた家族があってこそだと考えております。この場を借りて皆様に深く感謝申し上げます。
4月からは社会人になり困難に直面することもあると思います。しかし研究で培った「課題に対する向き合い方」を思い出せばおのずと解決する糸口が見えてくるのではないかと考えております。社会に出てからは人々が触れるかもしれないものを研究することになりますが、これまでの学生生活で吸収した知識・経験を総動員して世の中の役に立つものを生み出していきたいと思います。