電気電子系 News

2021年度優秀修士論文賞 受賞!― 井出 倫滉さん(岡田研究室)―

ミリ波帯フェーズドアレイ無線機を用いたデータ電力同時無線伝送の研究

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2022.04.11

今回、電気電子系約140名の中から13名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。

(右)白根篤史 准教授 (中央)井出倫滉さん (左)岡田健一 教授

(右)白根篤史 准教授 (中央)井出倫滉さん (左)岡田健一 教授

この研究はどんな内容で、どのように世の中の役に立つことが期待できるのでしょうか?

岡田研究室では微細CMOSを用いて、高周波アナログ回路であるミリ波帯やSub-THz帯の無線機から、デジタル技術も含むPLLまで幅広い分野の回路設計に取り組んでいます。様々な研究グループがある中、私はミリ波無線電力伝送研究について研究を行っています。無線電力伝送とは読んで字のごとく、ケーブルを使わず無線で電力を伝送する技術のことです。広く実用化されれば、有線充電から解放されるだけでなく、IoT実現に必要なセンサーのコスト削減や、クリーンなエネルギー生成方法である宇宙太陽光発電システムも実現可能な将来性のある分野です。

修士課程では、無線電力伝送と5G通信を掛け合わせ、電力とデータを同時に伝送可能な無線機の設計と評価を行いました。具体的なアプリケーションとしては、5G向け中継機が挙げられます。ミリ波5G電波は高周波であるため、壁やガラスといった建築物を透過することが難しく、通信エリアの拡大のためには中継機の大量配備が必要です。そこで、無線給電により電源不要な中継機にすることで、電源ケーブルを敷設する必要がなく、また長寿命化により維持コストも削減可能です。このようなコンセプトのもと、CMOSプロセスを用いて送受信機のチップを設計しました。測定ではアンテナ基板にチップを実装し、実際に電波を飛ばして性能を評価しました。試作無線機は超低消費電力であるため、無線給電のみで動作することができ、5G変調信号を中継可能であることを実証しました。

上述の無線給電型中継機の研究により、中継機の大規模配備が容易となり、ミリ波5Gエリアの普及と拡大に大きく貢献できると考えています。また、5G普及の大波とともに無線電力伝送も今後益々の需要が見込まれると期待できます。

受賞の感想

このような素晴らしい賞を頂き、大変嬉しく思います。本受賞に限らず、国際学会での発表や、ジャーナル論文への掲載といった研究業績を達成できたのは、日頃よりご指導ご鞭撻を頂きました岡田先生や白根先生、研究室メンバーの皆様や秘書の方々、そして家族のサポートがあったからこそです。この場をお借りして深く感謝申し上げます。この受賞を励みとして、博士課程でも更なる技術研鑽を積むとともに、社会に貢献できる研究者を目指して、真摯に研究活動に取り組んでいきたいと思います。

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