電気電子系 News

2020年度優秀修士論文賞 受賞! #4 ― 谷口 晃大さん(青柳研究室)―

リバブレーションチャンバーの設計法確立へ向けたモデリング手法に関する研究

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2021.03.31

今回、電気電子系約140名の中から15名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。

左: 青柳貴洋 准教授  右: 谷口晃大さん

左: 青柳貴洋 准教授 右: 谷口晃大さん

この研究はどんな内容で、どのように世の中の役に立つことが期待できるのでしょうか?

私が携わっている環境電磁工学 EMC (Electro-Magnetic Compatibility) は、電子機器の発生する電磁波が他の機器に干渉したときや、逆に干渉を受けたときに、誤動作を起こさないようにするための研究領域です。現代社会では、身の回りに電子機器があふれており、それらのEMC性能を担保することは必要不可欠です。そのため、設計・製造された電子機器は、測定室で様々なEMC試験が行われます。その測定室の一つがリバブレーションチャンバーです。リバブレーションチャンバーは、金属壁のチャンバーの中で、金属の羽でできた撹拌機を回転させることで、電子機器に対して全方向から様々な強さや向きを持つ電磁波を照射でき、機器が実際にさらされるような電磁環境を模擬できます。さらに、他の種類の測定室と比べて低消費電力であるといった特長から、効率的な測定室として国内外で注目されています。その一方、撹拌機とチャンバーの電気的な相互結合が無視できず、設計が容易でないという課題があります。

私の研究では、リバブレーションチャンバーの設計へ向け、チャンバーと撹拌機を分離して、設計要素を個別に設計できるモデリング手法を提案しました。具体的には、電磁波の満たす方程式であるマクスウェル方程式を元に理論的な定式化を行い、それをコンピュータ上で実装することで、数値計算によりモデリングの妥当性評価を行いました。今後は提案したモデリング手法を実際の設計へ応用していきたいと考えています。
この研究により、リバブレーションチャンバーの設計が効率化し社会に広く普及されることで、IoTやスマート社会化などによる電子機器の増大により、今後益々の需要が見込まれるEMC試験を効率化できると期待できます。

受賞の感想

優秀修士論文賞をいただけて大変うれしく思います。学部4年からご指導いただいた青柳先生、活発に議論していただいた研究室の皆様、そして授業や発表会等で専門知識や有意義なアドバイスをご教授いただいた電気電子系の先生方にこの場を借りて感謝申し上げます。この受賞を励みとし、博士課程でも研究や学修に取り組んでいきたいと思います。

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