電気電子系 News

2020年度優秀修士論文賞 受賞! #3 ― 横井 亮太さん(庄司研究室)―

TE-TM半モード変換を用いたSi導波路型光アイソレータの広帯域化

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2021.03.31

今回、電気電子系約140名の中から15名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。

左:横井 亮太さん、右:庄司 雄哉准教授

左:横井 亮太さん、右:庄司 雄哉准教授

この研究はどんな内容で、どのように世の中の役に立つことが期待できるのでしょうか?

光集積回路に必要な素子の一つである光アイソレータの性能改善に向けて、新構造を提案しました。光アイソレータは光を片方向のみ通すデバイスで、本研究室はシリコン光回路としては世界初の光アイソレータの動作実証に成功するなど、当分野をリードしています。私の研究では、従来構造が導波路1本でTEモードとTMモードを扱っていたところ、各モードを導波路2本に分離してそれぞれの伝搬特性を独立して制御することで、動作帯域の広帯域化を達成しました。新構造の提案にあたり、シミュレーションソフトを用いたパラメータの設計から実際に製作し測定するまでの1セットを10 nm単位で繰り返し行いました。
光アイソレータを含めた光集積回路が実用化されると、スーパーコンピュータやデータセンターにおける既存の電気配線と置き換えることで、高速・大容量・低消費電力な通信システムの実現が期待されています。近年、5GやIoT、COVID-19の影響など社会の情報化が進んでいます。また、2030年にはデータセンターにおける消費電力が世界の電力需要の10%を占めるとも言われており、短距離の光通信応用は今後の情報社会に大きく貢献できると考えられます。

受賞の感想

この度は優秀修士論文賞という大変名誉な賞を頂戴し、感謝を申し上げます。未熟ながらも研究成果を評価していただけたということは、大変身に余る栄誉でありますが、非常に光栄に感じております。
私は修士課程から東工大に進学したため、研究面はもちろんのこと、私生活の面でも大阪から東京へと拠点を移し、不慣れな面が多くありました。しかし、庄司准教授を筆頭に優秀な研究室の方々に支えていただき、研究室の雰囲気に打ち解けながらも、日々充実し、研究もしっかりと集中して行うことができました。また、何より今の自分があるのは学ぶ環境を整えてくれた両親、家族のおかげです。ご協力いただいたすべての方々に心からお礼申し上げます。
4月からは社会人となりますが、庄司研究室での経験を糧に精進してまいります。

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