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優秀修士論文賞 受賞! #6 ― 村田 歩紀さん(宮島研究室)―

光無線給電に向けたCsPbBr3受光器の開発

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2020.04.06

今回、電気電子系約140名の中から15名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。 受賞者にインタビューです。

左:村田 歩紀さん、右:宮島 晋介准教授

左:村田 歩紀さん、右:宮島 晋介准教授

この研究はどんな内容で、どのように世の中の役に立つことが期待できるのでしょうか?

無線化社会が加速していく中で、電力供給である給電の多くは、いまだに有線接続により行われています。
無線給電の実用化は、有線では実現できない移動体への給電や多種多様な民生機器・産業機器への応用が期待され、社会変革の起点になることが想定されます。無線給電は、スマートフォンなどの小型機器への給電を主目的として一部では実用化がされています。しかし、これらに用いられている給電方式は、伝送距離が極端に短く、自由度が低いため、更なる無線給電の実用化には新方式の検討が必要とされます。
その新方式の一つとして光無線給電の研究が行われています。光無線給電は、レーザなどの光源と光を電気に変換する光電変換素子による無線給電方式であり、小型機器での長距離・大電力伝送が可能で人体・機器への干渉が少ないため、利用環境の拡大が容易とされています。しかし、現状では光無線給電の想定される伝送効率は低く、実用化に向けて各素子の効率向上が必要とされています。

宮島研究室では光電変換素子の高効率化を目指し、光無線給電用の光電変換材料として期待されるCs系ペロブスカイトを用いた受光器の開発を行っています。私は、この2年間で光無線給電用CsPbBr3受光器の基礎技術を確立し、受光器の高効率化に向けた指針を明らかにすることを行いました。
光無線給電は、様々な産業機器に用いられることで我々の生活に浸透することにより、電気を使っていることすら忘れる便利な社会にしてくれると言われています。そして、無線通信が拡大したときと同様に、新サービスや産業など新たな価値を与える変革が行われ、より豊かな社会につながると考えられています。光無線給電の研究例はまだ多くはありませんが、多面的な研究開発によって実用化されることを願っています。
そして、本研究室の後輩たちが研究を更に盛り上げてくれることを楽しみにしています。

受賞の感想 などを一言

最後に修士論文賞をいただけて本当にうれしく思います。私自身、修士の2年間をただただ楽しく研究させていただいただけに過ぎません。このような賞がいただけるのは卒業された先輩や、現博士課程の先輩、研究室の多くの方々に格別なご協力をいただいたおかげです。
そして何より、指導教員の宮島晋介准教授に各測定から評価や考察、発表など懇切丁寧にご指導頂いたおかげです。研究環境を整えることにも多くの時間を割いていただきました。このような貴重な研究に携われて心から感謝いたします。

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