電気電子系 News
再生可能エネルギー電源の導入拡大に向けて
今回、電気電子系約140名の中から15名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。
本研究は、簡単に言えば、太陽光や風力発電みたいな再生可能エネルギー電源をもっとたくさん導入していくにはどうすればよいのかを考えるものです。再エネ電源は環境負荷の小さい電源ですが、一方でその出力の予測誤差や急峻な変動が電力の需給バランスを乱します。そのため、再エネ電源を大量に導入するためには、そういった誤差や変動に対応できるシステム設計が重要です。
本研究では、再エネ電源の諸課題に対応すべく、蓄電池を電力系統に用いる場合の制御システムの最適化を目的としてきました。蓄電池は放電だけでなく充電ができ、また指令に対しての出力が火力プラントに比して格段に速いため、再エネ電源の諸課題に対応可能な電源として注目されています。
研究の結果、蓄電池と火力プラントを協調するのに良い制御方式を、その得失から明らかとすることができ、また具体的な制御パラメータの決定指針も一般的に示すことができました。本研究の中で発表した論文などが、蓄電池の導入および制御手法の決定につながり、再エネ電源のさらなる普及に貢献することを願っています。
賞の存在自体を受賞とともに知り、喜びを実感しきれていませんが、研究に充てた時間が評価されたことは純粋に嬉しいです。学部時代は部活にほとんどの時間を充て、院に入ってからは暇になったため研究に時間を費やしましたが、なんだかんだで楽しい生活を送れたと思います。何かに一生懸命取り組むのが好きなのは得な性格だと思いました。
私はファーストキャリアを研究職として迎えますが、人によっては研究をするのは修士課程で最後になるかもしれません。研究は自らの課題解決力を養うのに非常に良い機会です。課題解決力はどんな職種にも必要な能力であり、修士課程での研究が将来の役に立たないとは思えません。もちろん学生ならではのその他活動に充てる時間も重要ですが、研究を通じた能力開発にもぜひ投資してもらえると良いと思います。研究含め、学生生活を楽しんでください。