応用化学系 News

中薗研究室 ―研究室紹介―

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2020.06.01


物資理工学院応用科学系 准教授 中薗 和子

中薗研究室物質理工学院応用化学系 エネルギーコース
 Nakazono Laboratory

2020年6月にスタートした新しい研究室です。超分子化学の「やわらかい構造」特性を利用した機能性分子や、超分子構造を持つ高分子材料に関する研究を推進します。超分子は分子間相互作用の制御によって構造や物性が変化する環境応答性を有する分子や分子群です。様々な高分子材料との組み合わせにより、従来の高分子にない機能や物性の発現が期待されます。当研究室では、超分子構造体や高分子材料などの合成・構築を通して、新しい材料やプロセスの開発にとどまらず、新しい概念や分野の形成を目指します。

中薗 和子(Nakazono Kazuko) 


東京工業大学 物質理工学院 応用化学系
准教授

2008年 東京工業大学大学院理工学研究科 博士課程修了, 博士(工学). 東京工業大学男女共同参画推進センター 助教, 東京工業大学物質理工学院特任准教授などを経て, 2020年6月より現職.
専門:超分子化学、構造有機化学、高分子化学
e-mail : nakazono.k.aa[at]m.titech.ac.jp

*[at]を@に置き換えてください。   



研究教育について

将来、研究者や技術者として社会で活躍したいと考えている進学希望者を募集しています。他大学からの進学も歓迎します。研究室では勉強も大切ですが、仲間や共同研究者とのコミュニケーションが何より大切です。他者とのコミュニケーションにより、新しいアイディアが浮かんだり自分の研究への理解を深めることができるからです。当研究室では化学の基礎知識や実験の技術指導に加え、研究室や学会での研究成果の発表を通じて論理的な文章作成技術、プレゼン技術といったコミュニケーションの基本的な技術も丁寧に指導しながら、研究を通じて社会で活躍できる人材の育成を目指します。ご興味をもたれた受験生はまずはメールでご連絡ください。

研究テーマ: 
有機合成を基盤とする超分子・超分子ポリマーの設計・合成
高分子反応による機能性高分子材料の合成開発

これまでの主な研究成果

  • 高分子のトポロジー(直鎖状-環状)を可逆的に変える

Topology Transformation


分子マシンとして研究されてきた超分子であるロタキサンは、環状分子に鎖状分子が貫通した構造を持っています。この貫通部分を高分子中で移動させることで、高分子のトポロジーの変換が可能になることを報告しています。

Chem.Commun. 2015, 51, 5606, ACS Macro Lett. 2015, 4, 343, Mater. Chem. Front. 2019, 3, 2716.

  • 固相で駆動する分子スイッチ

フィルム状態の反応でポリアセチレンの有効共役長を変換

高分子の側鎖側鎖上でもロタキサンの輪の位置変換が可能です。溶液やフィルム状態で外部刺激によりロタキサンの構造を変化させると、立体環境の 変化に応じて主鎖の二次構造が変わり、高分子物性変換を達成しました。 Chem.Commun. 2016, 52, 3647,Angew. Chem. Int. Ed, 2017, 56, 14858.

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