教育
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「化学」は自然科学の重要な一分野ですが、数多くの「化学系企業」が存在することからも明らかなように、社会を支える基盤産業としても重要な分野です。応用化学系では、「学問分野としての化学」から「産業分野としての化学」までを網羅した「基礎から応用」への知識と技術が身につきます。講義の一環として化学系企業を見学したり、企業研究者から化学系産業の最先端に関する講義を受ける機会もあります。
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本学出身の白川英樹博士は、「電気を通すプラスチック」として注目されたポリアセチレンの研究で2000年にノーベル化学賞を受賞されました。白川先生は「化学」の基礎を本学で学び、本館の研究室でポリアセチレンフィルムの作製に初めて成功しました。先生が合成したポリアセチレンの試料は、東工大博物館・百年記念館に展示されています。
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応用化学系には、広い裾野の応用化学分野に直結した充実の「学生実験プログラム」が準備されています。学士課程では、専門性を追求するだけでなく、応用化学系の学問で必要とされる基礎的な実験技術を修得し、化学者としてのスキルを広げる教育を行います。講義で学んだ理論を、時を置かずに自らの手で実験することにより、「物質や現象」に対する深い理解に到達できます。
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応用化学系では、応化系共通科目、理工系教養科目、語学系科目などの共通科目群に加えて、3つの専門科目群(化学システム工学、応用分子化学、高分子科学)が用意されています。自分に適した科目群を選択し、科目のナンバリングとモデル履修例を参考に基礎科目から高レベル専門科目まで段階的・自主的に学ぶことができます。
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基礎的な知識と実験技術が身についたら、いよいよ学士特定課題研究が始まります。指導教員が決まり、研究室に配属されると各人に全く異なる研究テーマが与えられ、世界最先端の応用化学研究がスタートします。それまでに学んだ知識と実験技術を総動員して、自らの研究に専念することになります。多くの応化系研究室が、大岡山キャンパスだけでなく、すずかけ台キャンパスにもあります。