生命理工学系 News
東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の星野歩子准教授が9月27日に全米医学アカデミー(National Academy of Medicine: NAM)の「アクセラレーター・アワード」(Accelerator Award)を受賞しました。
本賞は、全米医学アカデミーが提唱する「健康長寿に向けた課題解決(Healthy Longevity Global Grand Challenge:HLGC」の一環として授与されます。HLGCは、世界各国で進行する高齢化社会の課題を解決すべく、人々の健康長寿に資する幅広いジャンルの優れたアイディアを世界各国から募り、イノベーション創出を促進するものです。
「老化に関わるエクソソーム含有たんぱく質とアルツハイマー病における新規予測分子の解析についての研究(Decoding age-dependent trajectory of exosomal protein in healthy aging and Alzheimer’s pathology)」
全米医学アカデミー(NAM)によるアクセラレーター・アワードを賜りまして、大変光栄に存じます。
本賞は、NAMと協定を結んだ世界各国の企業や組織がスポンサーとなって、カタリスト・アワード(Catalyst Award)受賞者の中から申請されたものを選考し、アクセラレーター・アワードとして授与しています。今回はジョンソンエンドジョンソン(Johnson & Johnson)がスポンサーとなり、我々のチームを含む5チームが昨年のカタリスト・アワードから選ばれました。
受賞のチームは、米国・イリノイ大学のラヴ・バーシェニー(Lav Varshney)博士とカナダ・モントリオール大学のアレクサンドル・ハンガヌ(Alexandru Hanganu)博士との共同研究により構成されております。本テーマで、年齢と共に変化する血中エクソソーム情報を明らかにすること、そしてその軌跡からの逸脱により認知症など年齢に関わる疾患の予測ができるかどうか、についての解明を目指しています。AIの専門家であるバーシェニー博士とアルツハイマー病の画像診断や機械学習を専門とするハンガヌ博士、そしてエクソソーム研究を専門とする私で立ち上げた研究内容は、これまでに私が単独で考えてきたプロジェクトを遥かに広げるテーマとなり、今後の展開が非常に楽しみなものとなりました。
今回の賞を糧に、異分野融合により生まれた本研究をより一層進展できればと思っております。