生命理工学系 News
東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の星野歩子准教授(生命理工学コース主担当)が、第2回輝く女性研究者賞(科学技術振興機構理事長賞)を受賞しました。主催する国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が10月14日に発表し、授賞式は11月15日に日本科学未来館(東京都江東区)で行われる予定です。
輝く女性研究者賞はJSTが2019年に創設し、女性研究者の活躍推進の一環として、持続的な社会と未来に貢献する優れた研究等を行っている女性研究者及びその活躍を推進している機関を表彰しています。外部有識者の選考委員会が選考します。
2020年は女性研究者対象の輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)1名、研究機関対象の輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン アシダ賞)1機関に加え、選考委員会で輝く女性研究者賞に匹敵すると評価されたことから、星野准教授が「輝く女性研究者賞(科学技術振興機構理事長賞)」を受賞しました。
「細胞外微粒子エクソソームを用いたがん診断と特定臓器への転移機構の解明」
JSTが発表した受賞理由は以下の通りです。
受賞理由
星野氏は、がん細胞が放出するエクソソーム(細胞外小胞)が、転移先の環境を組織特異的に準備するメカニズムに関与することを世界で初めて明らかにし、がん転移に関する診断や治療につながる革新的な成果を挙げている。
研究以外の社会貢献においても、計8年半の海外研究経験から、国境をまたいだ学生の受け入れを通じて世界で活躍できる研究者の育成に尽力している。
第2回「輝く女性研究者賞」という栄誉ある賞の受賞にあたり、これまでにご指導くださった先生方や諸先輩方そして一緒に研究を進めてきてくださった皆様方に心より感謝を申し上げます。
この度の受賞は、私自身が研究を始めた初心を思い返す、よい機会となりました。
受賞に恥じぬよう、今後も研究に精進して参りたいと思っております。
新たな細胞間コミュニケーションツールとして注目されている細胞外微小胞のエクソソームは様々な疾患に関わることがわかってきています。当研究室ではがん転移、自閉症、妊娠合併症に特に着目して研究を行なっており、将来的にはその機構に迫ることで新規治療法への応用を目指して研究を進めていきたいと思っております。幅広い研究分野の先生方との共同研究がないと切り拓けない道だと思っておりますので、皆様のお力添えの元、少しでも疾患への理解に貢献していければ幸いです。
論文タイトル : | Tumour exosome integrins determine organotropic metastasis |
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掲載誌 : | Nature |
著者 : | Hoshino A, Costa-Silva B, et al., |
発行年 : | 2015 |
DOI : | 10.1038/nature15756 |
論文タイトル : | Tumour exosomal CEMIP protein promotes cancer cell colonization in brain metastasis |
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掲載誌 : | Nature Cell Biology |
著者 : | Rodrigues G, Hoshino A, et al., (co-first author) |
発行年 : | 2019 |
DOI : | 10.1038/s41556-019-0404-4 |
論文タイトル : | Extracellular vesicle and particle biomarkers define multiple human cancers |
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掲載誌 : | Cell |
著者 : | Hoshino A, Kim HS, et al., |
発行年 : | 2020 |
DOI : | 10.1016/j.cell.2020.07.009 |