未来

世の中にない診断薬を開発することで感染症との戦いに貢献したい

富士フイルム株式会社 
医薬品・ヘルスケア研究所
研究員

片田 順一 さん

片田 順一さん

現在の仕事について教えてください。
病院で病気の診断をするための診断薬の開発を行ってます。例えばインフルエンザの診断では、インフルエンザの症状をもつ患者さんから綿棒で鼻の奥から検体を採取して、その中にインフルエンザウイルスがあるか、ないかを、診断薬で調べます。その検査結果を参考に、医師は病気を診断、治療方針を決めます。富士フイルムでは、高感度かつ迅速に感染症を検査できる診断薬を開発しており、その要素技術開発から商品化を手掛けております。自分が携わった製品が発売された時の達成感はメーカーならではの経験だと思います。また、その製品を使ったお医者様からお褒めの言葉を頂いたり、学会発表や論文でいい評価を頂いた時には、開発してよかったなと強く感じました。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
もちろん大学で学んだ化学や生物の知識は現在の仕事の基礎力として生きていると思いますが、そういった知識面に加え、研究室での研究活動で学んだ論理的な思考力、実験を組み立てる力、その結果をまとめてさらに発表する力、は企業の研究で、役立っていると感じます。また、一つの研究、商品化を進めるためには、多くの専門知識を持った人や組織、会社と、様々なコミュニケーションをとることも必要です。大学で、様々な考えの人と交わりながら勉強をしたり、サークル活動などのグループ活動をしたり、研究室で集団で研究活動をすることは、会社での仕事にも大いに生きていると思います。
今後の目標を教えてください。
世の中には、いい診断薬ができれば適切な治療を行え、人々の苦しみを軽減したり、命が救えるようになる可能性があります。歴史的に人類は感染症と戦い続けてきています。新たな診断薬を開発することで、感染症の脅威から少しでも人々を救えたらいいなと思っています。そういった世の中への貢献に加え、同時に利益も生み会社に貢献し、モノを作って世の中に出したいという研究者としての自分の想いも満たす、そんなwin-win-winなことができればと思ってます。一人の自分にできることは小さいですが、会社の仲間と協力しながら、目標に向かっていきたいです。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
みなさん大学や研究室選びではいろいろ迷うことがあると思いますし、Bestな選択ができるか不安があると思います。ですが、私の場合、学生時代を振り返ってみると、当時意識していなかった大学でのいろいろな経験が、現在の自分につながっていると思います。たくさんの選択肢の中で迷うこともあると思いますが、学生時代の経験は様々な形で後の人生に役立って行くはず、と今の選択を信じて、楽しんで学生生活を送ってください。

かただ・じゅんいち(東京都出身)

1998年
東京工業大学 第7類 入学
2005年
東京工業大学大学院 生命理工学研究科 修士課程 修了
2005年
富士フイルム株式会社 入社

※記事の内容は取材当時のものです

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