電気電子系 News
デジタルツインを用いたARグラスによる死角透視及びリアルタイム危険通知に関する研究
2025年度は電気電子コース124名(9月修了9名,3月修了115名)の中から10名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。

交通事故の多くは、建物の陰や交差点などの死角に潜む危険に気づけないことで発生します。自動運転など自動車側の安全技術は日々進歩していますが、最も無防備な「歩行者」自身を直接守る手段はこれまで限られていました。
そこで私は、歩行者が直感的に危険を察知できる死角透視システムを新たに提案し、その実現に向けた研究に取り組みました。このシステムの鍵となるのが、現実の街の動きを仮想空間にリアルタイムに再現するデジタルツインという技術です。街中に設置されたセンサーが捉えた交通状況をデジタルツイン上に同期させ、そこで数秒先に起こり得る衝突のリスクなどを瞬時に計算します。そして、その危険情報だけを歩行者がかけるARグラスに送り届けるという仕組みです。
これにより、歩行者は建物の向こう側から接近してくる車の存在を、自身の視界の中で自然に察知することができます。技術的に最もこだわったのは、通信などのタイムラグを極限までなくし、現実の風景に正確に警告を重ね合わせる点です。
この研究が目指すのは、デジタルツイン上に構築されたもう一つの街がネットワークとして繋がり、現実世界のすべての人を見守ってくれる未来のインフラ作りです。将来、スマートグラスが日常のツールとなったとき、このシステム交通事故をなくすための大きな力になると期待しています。
学生生活の集大成としてこのような名誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。本研究を進めるにあたり、ご多忙の中、的確なご指導と助言をいただいた指導教員の阪口啓教授、また研究とプライベートの両面でお世話になった研究室メンバーに心より感謝申し上げます。これからは社会人として、研究で培った経験や知識を糧に、精一杯頑張っていきます。