電気電子系 News
磁気ウォームギヤドモータの高トルク密度化
2025年度は電気電子コース124名(9月修了9名,3月修了115名)の中から10名が、優れた修士論文発表を行いこの賞を受賞しました。受賞者にインタビューです。

山中治紀さん(左)、筒井幸雄特任教授(右)
私は協働ロボット用モータの高トルク密度化に取り組みました。協働ロボットは安全性を高めることで周りを柵で囲うことなく稼働できるロボットであり、設置スペースの抑制や人との作業工程の分担による効率向上といった利点を有します。協働ロボットの特長の1つに、作業者が直接アームを動かして位置を教示するダイレクトティーチングがあり、この性能は外力による出力軸の動かしやすさを表すバックドライバビリティに依存します。既存の協働ロボットは高減速比のギヤを用いるので、バックドライバビリティが低いという欠点を有していました。
反射慣性モーメントを低減するには、減速比を小さくする必要があります。ギヤの出力トルクを維持しつつ減速比を小さくするには、モータのトルク密度を向上する必要があります。一方で、トルク密度が高いモータの先行研究として、同軸磁気ギヤを統合したモータである磁気ギヤドモータが知られています。また、磁気ギヤには同軸磁気ギヤの他に機械式のギヤのトポロジを踏襲したものもあり、機械式のギヤにおいてウォームギヤは小型で高減速比を実現するという利点を有します。
以上の背景より、私は学士課程において磁気ウォームギヤを統合した磁気ウォームギヤドモータ (Magnetic Worm-Geared Motor、 MWGM) を提案しました。修士課程においては、トルクの発生原理や磁束密度分布などに着目し、MWGMの電磁部の構造を改良してトルク密度を向上しました。この成果により、協働ロボットにおけるダイレクトティーチングの性能の向上が期待されます。
この度は、優秀修士論文賞をいただき、大変光栄に存じます。この成果は、日頃よりご指導ご鞭撻いただいた筒井先生、千葉清田ゼミでのご指摘や論文の添削をしていただいた千葉明 先生、清田先生、藤井先生、筒井遠藤ゼミにてご指摘いただいた遠藤先生のおかげです。来年度からは他大学に進学しますが、この修士課程で得た経験を活かして邁進いたします。皆様ありがとうございました。