電気電子系 News
東京工業大学は、2019年度「東工大の星」支援【STAR】(英語名称:Support for Tokyo Tech Advanced Reserchers【STAR】)の採択者に理学院 物理学系 相川清隆准教授と工学院 電気電子系 宮島晋介准教授の2名を決定し、3月6日発表しました。
「東工大の星」支援【STAR】とは、東工大基金を活用し、将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研究を推進している若手研究者や、基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者へ大型研究費の支援を通じて、次世代を担う本学の輝く「星」を支援するものです。
第7回目の今回は、2名の「星」が学長及び研究・産学連携本部長の協議により選考されました。
なお、支援決定通知書授与式は新型コロナウイルス感染症の感染予防対策の観点から延期されました。
所属部局 | 担当系 | 職名 | 氏名 |
---|---|---|---|
理学院 | 物理学系 | 准教授 | 相川清隆 |
工学院 | 電気電子系 | 准教授 | 宮島晋介 |
20世紀初頭に生み出された量子力学は、現代社会においてエレクトロニクスや計測、材料開発を始めとした様々な分野で活用されてきました。粒子が同時に波動性をも示すことが量子力学の本質であり、そうした振る舞いは電子、原子、光子といった微視的な粒子でよく成り立つことが実証されてきました。一方、我々の身近にある巨視的物体が量子的な振る舞いを示すことはなく、その理由は自明ではありません。私たちは、真空中に浮揚させた微粒子の運動に着目し、運動に関する量子力学の追究を通じて、巨視的な物体に関する量子力学が、微視的な粒子に対する量子力学とどのように違うのか、明らかにしていきます。さらに、浮揚微粒子という新しい系を、高感度センシングなどの形で社会に役立てていくことも重要な目標です。
この度は、「東工大の星」支援に採択頂き、とても光栄に感じると共に、選んで頂いた方々および東工大基金の寄付者の皆様には大変感謝しております。最近大きな潮流となりつつある量子力学の分野の中でも、より基礎的かつ挑戦的なテーマではありますが、長い目で見れば、単に基礎科学としてだけでなく、応用面においても重要となっていく課題だと考えています。今回の支援を活用し、新しい流れを生み出していければ、と考えています。
太陽光発電に用いる太陽電池の更なる低コスト化に向けた研究を行っています。超高効率なシリコン太陽電池の製造には爆発性・毒性ガスを使用していますが、これらを使用しない低コストプロセスの確立を目指しています。また、更なる高効率化を目指して、シリコン太陽電池とワイドギャップペロブスカイト太陽電池を組み合わせたハイブリッド型の太陽電池についても研究を進めています。さらに、太陽電池の研究での経験を生かして、新しいワイヤレス給電技術である光無線給電の実現のため、高効率光電変換デバイスの実現を目指しています。
「東工大の星」支援の対象にご選出頂き誠にありがとうございます。研究室に所属した多くの学生や共同研究者の方々と進めてきた研究が評価されたものと存じます。この度のご支援をもとに、新たな学生たちとともに、より一層挑戦的な研究を推進していきたいと考えております。
東工大基金を活用し、本学における優秀な若手研究者への大型支援を実施することにより、本学の中期目標である基礎的・基盤的領域の多様で独創的な研究成果に基づいた新しい価値の創造を促進し、もって、学長の方針に基づく本学の研究力強化に資することを目的とします。
公募によらず、様々な業績を勘案し、学長及び研究・産学連携本部長の協議により決定します。
若手研究者を准教授以下(原則40歳以下)とします。
このイベントは東工大基金によりサポートされています。