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相川研究室 ―研究室紹介 #2―

レーザーで真空中にナノ粒子を浮かべて物性を探る

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2016.08.04

物理学は、自然界に起きるさまざまな現象の中に法則性を見い出し、それを体系化していく学問です。その対象は、素粒子、原子核という極微のスケールから始まり、多彩な構造や性質をもつ原子レベルの物理、さらに我々を取り巻く宇宙まで、あらゆるものを対象にしています。物理学系の研究室では、そのほとんどすべての領域をカバーし、世界をリードする最先端の研究が行われています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、レーザーで真空中にナノ粒子を浮かべて物性を探究する、相川研究室です。

相川清隆准教授

研究テーマ
極低温ナノ粒子における物性の探究
Webサイト
研究者詳細情報(STAR Search) - 相川清隆別窓

研究内容

当研究室では、真空中に浮かべたナノサイズの固体試料(ナノ粒子)の内部における物性を探究していきます。特に、試料の温度を希釈冷凍機でも到達できない極低温領域まで冷却し、新たな現象を見出すこと、またこれを理解することを目標としています。

研究詳細

これまでの多くの物性実験は、サイズの大きなバルクの試料を、希釈冷凍機の下限温度である絶対零度10mK程度より高い温度において観測する形で行われてきました。これに対し、当研究室では、原子・分子物理学および量子光学で培われてきた技術に基づき、ナノサイズの試料を真空中に浮かべて熱的・物理的接触を断った上で、その内部の物性を探る、という新しい試みに取り組みます。このようなアプローチにより、従来の手法では探究の難しいナノ粒子の物性を、10mK以下という極低温領域で探っていくことが可能となると期待されます。

実験の具体的な内容は、ナノ粒子をレーザー光中に捕捉し、その特性を別のレーザーによって分光的に測定していく形になります。新しいタイプの実験手法であるため、捕捉されたナノ粒子の運動を抑える方法から、その内部の温度を測定する方法、さらに内部の温度を冷却する方法など、全ての過程を一から開発していきます。

学生に一言

相川先生より
当研究室は2015年4月に発足した新しい研究室です。そのため、当研究室に配属となった学生さんには、実験装置のゼロからの立ち上げに参加して頂くことになります。実験装置の立ち上げを経験すると、広範囲の実験技術を身につけられるばかりでなく、その背景となる様々な分野の物理に対する理解が深まります。また、自ら組み上げた装置で最先端の物理に触れる、という特別な面白さを体感することができます。物性に興味がある方ばかりでなく、レーザーを始めとする量子光学に関連した技術に興味がある方も歓迎します。

メンバー紹介

  • 修士1年:米田光慶、三浦朋之
  • 4年生:永山凌平、岩崎睦、竹添慎司

お問い合わせ先

准教授 相川清隆
E-mail : aikawa@phys.titech.ac.jp

※この内容は掲載日時点の情報です。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。

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