物理学系 News&Information
素粒子の統一理論の探求
物理学は、自然界に起きるさまざまな現象の中に法則性を見い出し、それを体系化していく学問です。その対象は、素粒子、原子核という極微のスケールから始まり、多彩な構造や性質をもつ原子レベルの物理、さらに我々を取り巻く宇宙まで、あらゆるものを対象にしています。物理学系の研究室では、そのほとんどすべての領域をカバーし、世界をリードする最先端の研究が行われています。
研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、素粒子の統一理論の探求をする、今村研究室です。
「素粒子」というのはこの世界を構成する最小単位をさす言葉ですが、弦理論はその最小単位が「ひも」であるとする理論です。この理論は重力とゲージ場(電磁場の一般化のようなもの)を同時に含むという性質があります。このために、弦理論を通して重力とゲージ場という、一見まったく異なるものが実は密接に関係しているという状況が存在します。このような、異なる理論の間にある関係のことを「双対性」とよび、双対性を調べることは現在の素粒子論、特に弦理論の重要な課題となっています。
最近は、弦理論やM理論の低エネルギー極限として現れる超重力理論を用いて、曲がった時空上の超対称ゲージ理論を調べています。しばらくは3次元時空を中心に調べていましたが、最近5次元の論文を書きました。現在は次に何次元へ行くか考えているところです。(2014年4月現在)
准教授 今村洋介
E-mail : imamura@phys.titech.ac.jp
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