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永島佑貴助教が令和5年度挑戦的研究賞ならびに末松特別賞を受賞

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2023.08.04

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の永島佑貴助教(応用化学コース 主担当)が令和5年度東工大挑戦的研究賞を受賞するとともに末松特別賞にも選ばれました。
授賞式は、2023年8月31日に開催される予定です。

挑戦的研究賞は、本学の若手教員の挑戦的研究の奨励を目的として、世界最先端の研究推進、未踏の分野の開拓、萌芽的研究の革新的展開または解決が困難とされている重要課題の追求等に果敢に挑戦している独創性豊かな新進気鋭の研究者を表彰するとともに、研究費の支援を行うものです。これまで本賞を受賞した研究者からは、多くの文部科学大臣表彰受賞者が生まれています。
第22回目の今回は永島佑貴助教を含む10名が受賞し、うち3名が末松特別賞にも選ばれました。

令和5年度の受賞者は、こちら別窓をご覧ください。

※末松特別賞は、挑戦的研究賞受賞者のうち特別に優れていると評価された研究者に対する、末松基金別窓による顕彰です。今回は、永島佑貴助教を含む3名が選ばれました。

永島 佑貴 物質理工学院 応用化学系 助教

研究課題名:
理論と実験の協奏による有機光反応の開拓
研究課題名:
理論と実験の協奏による有機光反応の開拓

永島佑貴助教

永島佑貴助教

このたびは、栄誉ある東工大挑戦的研究賞および末松特別賞をいただき大変光栄に存じます。田中健教授をはじめ多くの共同研究者の先生方、研究室の学生の皆様にこの場を借りて深く御礼申し上げます。
有機合成化学は、天然に存在する分子から数々の人工の機能性分子を生み出し、人類に豊かな生活をもたらしてきました。一方で、理論上存在しうる分子の集合であるケミカルスペースは膨大であり、人類が手にしてきた分子はごく一部であることから、新たなケミカルスペースを開拓する方法論の開発が求められています。
有機光反応は、自然に存在する光エネルギーを利用して分子の励起状態(光励起種)を作り出すことで、従来の熱反応では困難な分子変換を実現できます。特に近年のLEDランプの普及に伴い、簡便な装置で実験できるようになったため、次世代の合成化学を拓く新しい分子変換プロセスとして注目を集めています。しかし、その合理的な設計はまだまだ難しく、実験化学者の経験に基づく試行錯誤に頼っており、多様な反応を開拓する際のボトルネックになっておりました。こうした課題に対して私は、理論計算と実験化学の融合的アプローチによってこの困難を克服し、多様な元素の光励起種を発生・制御・利用するための新たな手法を確立します。それにより、これまでアクセス困難だった有機元素化合物のケミカルスペースを開拓でき、新しい材料や医薬の探索に貢献できると期待されます。

励起状態を直接利用する光反応の模式図

励起状態を直接利用する光反応の模式図

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