応用化学系 News
2018年秋の褒章において、物質理工学院 応用化学系の吉田尚弘教授が紫綬褒章を受章しました。
紫綬褒章は、学術研究や芸術文化、技術開発において功績をあげた者に贈られるものです。
吉田尚弘教授は、1983年に本学大学院理工学研究科博士課程を単位取得満期退学後、三菱化成生命科学研究所特別研究員となり、1984年に理学博士の学位を授与されました。富山大学理学部助手、助教授を経て、1994年に名古屋大学大気水圏科学研究所助教授となりました。1998年に東京工業大学大学院総合理工学研究科教授となり、2002年に本学フロンティア創造共同研究センター教授を経て、2013年本学地球生命研究所主任研究員を兼務し、改組により2016年本学物質理工学院教授となりました。
この間、学内では理事・副学長(研究担当)総括補佐、研究戦略室副室長、環境エネルギー機構副機構長などを務めました。学外ではAtmospheric Chemistry & Physics(アトモスフェリック ケミストリー アンド フィジックス)誌やGeophysical Research Letters(ジオフィジカル リサーチ レターズ)誌の編集長、日本学術振興会学術システム研究センター研究員、日本学術会議連携会員、日本地球化学会会長を歴任し、現在は国連環境計画 GEO-6科学パネル委員、日本学術振興会国際事業部委員、国際アイソトポマー会議主宰などに従事しています。また、今年12月には米国地球物理学連合フェローに就任予定です。これらの長年の教育研究への多大な貢献が評価され、今回の受章に繋がりました。
環境学の研究教育が評価され、望外の栄誉を賜りました。環境学は優れて垣根のない学問ですが、専門性とともに学際性も問われるので、感慨深くこの栄誉をお受けします。一分子に多数存在する安定同位体化学種(アイソトポマー・アイソトポログ)という共通指標を発見して、時空間にとらわれない、地球環境物質の起源解明に適用する研究スタイルのため、発見が多くあり、研究することが増える一方です。ご評価いただいた方向性の研究を次世代の方々とともに、より推進したいと気持ちを新たにしています。
本受章は恩師、研究室の仲間と約200名の学生、数多くの国内外の共同研究者、政府系研究支援機関、および本学の皆様のご協力の賜物です。これらの方々、および、この他にも本当に数えきれない多くの方々からお力をいただいています。ここに記して心より厚くお礼申し上げます。