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吉沢道人教授が第38回井上学術賞を受賞

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2022.03.03

東京工業大学科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の吉沢道人教授（応用化学コース 主担当）が、公益財団法人井上科学振興財団（以下、井上財団）の第38回井上学術賞を受賞し、その贈呈式が2月4日にオンラインで行われました。

井上学術賞は、自然科学の基礎的研究で特に顕著な業績を挙げた50歳未満（推薦締切時点）の研究者に対して授与されます。受賞者には井上財団より、賞状および金メダル、副賞200万円が贈呈されました。今回、関係する国内の38学会および井上財団の元選考委員、過去の本賞受賞者（受賞後5年以上を経過）166人から、候補者の推薦31件を受け、選考委員会による選考を経て5件が採択されました。

受賞の研究テーマ

多環芳香族空間を基盤とした機能性分子ツールの開発

吉沢教授のコメント

吉沢道人教授（科学技術創成研究院 化学生命科学研究所）

吉沢道人教授（科学技術創成研究院 化学生命科学研究所）

今回の受賞は、約10年前に私のささいな「こだわり」からスタートした研究テーマを、研究室の学生・スタッフおよび共同研究者の方々が、試行錯誤の末に達成し、予想を遥か超えて、大きく発展して下さりました研究成果によるものです。その全てのメンバーに、心から感謝致します。どうも有難うございました。また、恵まれた研究環境・分析機器・人的支援の中で、継続して研究する機会を頂きました所属の化学生命科学研究所に感謝致します。
数ナノメートルの「空間」が持つユニークな性質は既に、生体のタンパク質空間や人工の無機・有機空間で明らかになっています。それに対して、私たちはπ電子豊富な多環芳香族パネル、とりわけ「アントラセン」に着目して、それらで囲まれた空間を有する様々なナノ構造体の合理設計から、精密合成、前例のない機能創出までを達成しました。「多環芳香族空間」と名付けた新種の人工空間の開発に成功しました。
今後は、材料化学・触媒化学・生化学など、幅広い研究分野で活用される「機能性分子ツール」への展開を目指していきます。引き続きご支援の程、宜しくお願い致します。

お問い合わせ先

吉沢道人

E-mail : yoshizawa.m.ac@m.titech.ac.jp

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