応用化学系 News
科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めたとして、菅野了次特命教授が令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)を、澤田敏樹助教(応用化学コース 主担当)が令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。
文部科学省が4月6日、発表しました。表彰式は4月14日、文部科学省(東京都千代田区)で行われました。
科学技術賞(研究部門)は、科学技術の発展等に寄与する可能性の高い、独創的な研究又は開発を行った者が対象です。令和3年度は45件(57名)が受賞しました。
若手科学者賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象としています。令和3年度は97名が受賞しました。
東京工業大学の令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者については東工大ニュースをご覧ください。
このたび、科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞することになりました。受賞対象となった物質開発から電池開発に至る研究成果は、ひとえに、一緒に研究を行ってきた非常に優秀な共同研究者・技術者の方々、さらに苦労と発見の喜びを共にしてきた研究室の学生の方々の努力があってのことです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。電池を固体にするという、無謀にも見える研究に取り組むことができたのは、この夢のような研究課題を1960年代に設定した諸先輩方の先見の明によるものです。この受賞のテーマとなった技術が、社会に大きく貢献するまでに育つには、さらなる技術開発の進展が必要です。そのための一層の努力をする所存です。
近年のバイオテクノロジーの発展に伴って生体高分子の機能改変が容易となり、マテリアルの世界でそれらが利用され始めています。しかしながら、天然に存在しない機能を自在に付与してマテリアル利用することは困難とされてきました。それはひとえに、生体高分子の機能は進化の過程で生体内での利用に最適化されてきたためと考えることができます。本研究では、生命工学の手法に加えて、高分子科学や物理化学に基づき、生体高分子が示す分子認識や集合化能といった生物機能を合目的的に改変・制御でき、マテリアル素材として様々展開できることを見いだしました。すなわち、進化を模倣した選抜技術によりペプチドの分子認識を人工的に制御して機能創製する手法や、集合化を制御する様々な手法を確立することで、材料機能をもつ生体高分子からなるソフトマテリアルを創成しました。本成果は、様々な原理や手法を適切に利用しながら生体高分子の構造ならびに機能を制御する戦略に基づいており、今後も新しい材料機能をもつ生体高分子やその集合体を創成していきたいと考えております。
今回、このような栄誉ある賞を頂くにあたり、本学物質理工学院芹澤武先生、本学生命理工学院三原久和先生をはじめとするご指導頂いた先生方、共同研究して下さった先生方、また共に研究を遂行した学生の皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。