応用化学系 News
「第5回 日韓水素シンポジウム」を2019年11月6日(水)から8日(金)に、大岡山キャンパス 西8号館において開催いたしました。日本から23名、韓国から14名の研究者が参加し、さらに、多数の学生が参加しました。
化学、物理、工学といった異分野の参加者が「水素」という共通のキーワードをもとに研究成果を報告し、他分野との交流を行うことにより、これまでにない新たな気づきを見出す大変貴重な時間となりました。
世話人である一杉の開会挨拶で始まった本シンポジウムでは、まず東北大学 折茂 慎一教授に錯体水素化物を用いた全固体Li電池の研究に関してご講演いただきました。その際には、折茂教授が代表を務める新学術領域研究「ハイドロジェノミクス」に関するご説明もありました。異分野の研究者が集まって「水素」の観点で共同研究を進める姿に、韓国研究者に大きな反響を呼びました。
韓国原子力研究所(KAERI)のYong Nam Choi教授からは、液体水素の貯蔵において重要である水素の核スピン変換に関するご講演をいただきました。淑明女子大学校 Kyungmin Choi教授には、有機金属構造体(MOF)を光触媒として用い、二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)やギ酸(HCOOH)へと還元する研究内容に関してご講演いただきました。九州大学 山田 鉄平准教授には、プロトン共役電子移動を活用した熱電素子に関するご講演をいただきました。
上記以外にも、日韓合わせて多くの口頭、ポスター発表が行われ、最先端の研究に関して活発な討論の場を設けることができました。このような交流は、国境を越えた多くの共同研究の礎となることが期待されます。
なお、本シンポジウムは新学術領域「ハイドロジェノミクス」共催のもと開催されました。運営にご協力いただきました一杉研究室の関係者、および、運営支援をしていただいた東京工業大学物質理工学院に心より御礼申し上げます。