応用化学系 News
固体イオニクス学会が主催の『第74回 固体イオニクス研究会』を2019年7月12日(金)に東京工業大学 蔵前会館において開催いたしました。本研究会は「固体イオニクスの進展と蓄電池応用」を主旨とし、最先端の研究を進められている先生に講演いただきました。
合計115名が参加し、その半数以上が企業からの参加となり、全固体電池研究がいかに注目されているかうかがえる会となりました。昨今の激しい全固体電池開発競争を背景に、実用化を目指すうえで基礎的な学理がどのように応用へ活かすことができるのか、参加された企業の皆様を巻き込んで討論する有意義な会となりました。
質疑・応答時間を長く設けることで、大変活発な討論が行われ盛況な会となりました。
菅野 了次教授(東工大)には固体電解質研究の歴史から最先端の材料開発までご講演いただきました。館山 佳尚博士(NIMS)には、固体電解質/電極界面における電位分布、およびLiイオン分布の興味深い現象に関してご講演いただきました。雨澤 浩史教授(東北大)には複合電極内における反応分布の解析や全固体Li電池内の反応律速過程を明らかにする研究内容に関してご講演いただきました。藪内 直明教授(横浜国大)は高容量化を可能とするリチウム過剰系正極活物質の材料設計指針、そして、新規正極材料を紹介いただきました。山田 淳夫教授(東大)には濃厚電解液を利用したLiイオン二次電池研究をご紹介いただき、最先端の電解液機能開拓研究に関してご講演していただきました。
なお、一杉は固体電解質/電極界面における抵抗低減について議論し、さらに、新たな物質探索に向けたロボット・AI活用の取組みに関して講演しました。
本研究会は日本固体イオニクス学会主催のもと、電気化学会にもご協賛いただき開催されました。また、運営にご協力いただきました横浜国立大学 藪内研究室、東京工業大学 一杉研究室の関係者、運営支援をしていただいた東京工業大学物質理工学院に心より御礼申し上げます。