応用化学系 News
庄子良晃准教授が平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました。
科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象としています。
典型的なルイス酸である中性3配位の(ホウ素が結合の手を本もつ)ボランから手を一本取り去った2配位ホウ素カチオンは「ボリニウムイオン」と呼ばれ、超ルイス酸分子としての反応性が期待できます。
我々は、これまで安定に存在し得ないとされてきた、ホウ素上に芳香環のみが置換したボリニウムイオン(Mes2B+)の単離に世界で初めて成功し、その強いルイス酸性に基づく特異な反応性を明らかにしてきました。例えばMes2B+は、安定な二酸化炭素のC=O二重結合を室温で切断するほどに高い反応性を示します。さらに、Mes2B+が、カーボンナノチューブなどのナノカーボン類に対する優れたホールドーパントとして作用することも見出しています。今後、本研究をさらに発展させ、新物質・新反応の開発を通して社会に貢献する研究を進めていきたいと考えています。
今回、このような栄誉ある賞をいただくにあたり、長年にわたりご指導賜った本学の福島孝典教授をはじめ、研究室の皆様、共同研究でお世話になった学内外の関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。