電気電子系 News

第70回応用物理学会春季学術講演会「注目講演」に〜アルバック先進技術協働研究拠点

半導体プロセスプラズマの電子温度・密度の空間分解計測に成功〜東工大・アルバックの共同研究成果

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2023.03.07

半導体集積回路の製造過程では、反応性プラズマの照射により、深掘りエッチングのような複雑なパターン形成が行われております。そのような微細加工技術は「プラズマエッチング」と呼ばれ、大規模集積回路の作製時に不可欠な技術になっています。ただ、現状では、プラズマエッチングの際の装置制御は、プラズマを生成するための原料ガスの流量・組成・圧力や、プラズマの放電電力など、装置の運転パラメータを調節して行われるのが普通で、経験に頼るところが大きいと言わねばなりませんでした。理想的には、微細加工用の「プラズマ」を特徴づける物理量である「電子温度・密度」などを、装置の場所ごとに正確に計測することが、加工対象である半導体素子の品質保証や歩留まり向上に不可欠なのですが、「プラズマ」が示す非平衡性のために、単純に発光分光計測を行なってもその解釈が困難であったため、分光計測・制御が半導体加工業界で幅広く取り入れられるには至っていないのが、理由の一つと考えられました。

これに対して、東工大「アルバック先進技術協働研究拠点」では、電気電子コース 博士後期課程1年 山下雄也氏を中心とし、赤塚研究室で長く培われた非平衡プラズマの計測手法を、半導体プロセス装置のプラズマに適用して電子温度・密度を求めることに、空間分解も含めて成功しました。この成果を発表すべく、第70回応用物理学会春季学術講演会に登壇申込したところ、プログラム編集委員会から「注目講演」に選出され、一躍脚光を浴びることとなりました。赤塚研究室では、従来基礎的な立場から、プラズマ中の励起状態生成消滅のネットワークを素過程に基づいてモデル化し、そのモデルを用いて電子温度・密度を分光計測により求める研究で成果を上げておりました。「アルバック先進技術協働研究拠点」におけるこの1年半の共同研究により、従来の基礎研究成果を、実機を模擬したプラズマ照射装置に適用することで、半導体プロセスプラズマの電子温度・密度の空間分解計測を可能としたことが、注目の理由と思っております。

詳細は、応用物理学会のWEBページ別窓をご覧ください。例年、応用物理学会春季講演会では約4000件程度の講演があり、注目講演はそのうちの20件程度となります。

また、東工大「アルバック先進技術協働研究拠点」別窓は、本学オープンイノベーション機構の皆様のご尽力で、2021年9月に発足し、プラズマプロセス装置の高性能化を目指して共同研究を進めてまいりました。上記のように1年半の共同研究により学会の注目講演にまで指定される成果が出て、自信が深まるとともに、更なる高度化と社会実装を目指し、尚一層努力しようと、関係者一同、決意を新たにしております。 何卒今後も皆様のご指導・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げる次第です。

お問い合わせ先

東京工業大学 科学技術創成研究院
ゼロカーボンエネルギー研究所

准教授 赤塚 洋

E-mail : hakatsuk@lane.iir.titech.ac.jp


3月13日 14:10 本文中のリンク設定を一部変更しました。

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