電気電子系 News

加藤研究室―研究室紹介 #48―

π共役分子を用いた光電子デバイス、有機半導体材料の開発

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2017.02.06

電気電子系では、最先端の研究施設と各分野で活躍中の教員の直接指導により、学生でも世界に誇れる研究成果を出し、自分自身で発表することができます。電気電子系には、大きく分けると「回路」「波動・光および通信」「デバイス」「材料・物性」「電力・エネルギー」の5つのグループがあります。各教員はいずれかのグループに所属しており、研究室単位での研究が行われています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、次世代のディスプレイ材料ならびに有機エレクトロニクス材料を目指した応用研究を行う、加藤研究室です。

特任教授 加藤 隆志

材料・物性グループ
電気電子コース
研究室:すずかけ台キャンパス・J1-207
特任教授 加藤隆志別窓

研究分野 光デバイス、電子デバイス、π共役分子
キーワード 有機半導体、光機能性材料、プリンテッド・エレクトロニクス

主な研究テーマ

π共役分子の集合状態を制御

π共役分子の集合状態を制御することで、従来にない革新的な光・電子デバイスの実現を目指します。特に、次世代のディスプレイ材料ならびに有機エレクトロニクス材料を目指した応用研究を進めていきます。

  • 当研究室は飯野研究室と密に連携して運営していきます。

最近の研究成果

光機能性材料の配列制御技術

有機分子は特定の配列に固定されることで、従来にない新しい性質を示します。これまで、色素分子を様々な配列に連結したモデル化合物を合成し、配列様式が光学的および電子的性質を大きく変えることがわかりました。現在は、結晶および液晶場などの利用により色素分子の集合状態を制御して、新しい光電子材料を開発することを目指しています。

図1.色素の配列の違いによる吸収スペクトル変化

図1. 色素の配列の違いによる吸収スペクトル変化

図2.連結型メロシアニン色素における吸収スペクトル変化

図2. 連結型メロシアニン色素における吸収スペクトル変化

次世代表示材料の開発

インターネットの普及により、デジタル情報を手軽に表示させる技術に注目が集まっています。これまで、次世代ディスプレイ用材料として期待される2色性色素を開発してきました。現在は、さらに次世代の表示用材料の開発にも取り組んでおり、今後の発展が期待されるプリンテッドエレクトロニクスとの融合を目指しています。

図3.新しく開発したアントラキノン系2色性色素

図3. 新しく開発したアントラキノン系2色性色素

有機半導体材料の配列制御

図4.ルブレンの構造式

図4. ルブレンの構造式

プリンテッドエレクトロニクスの実現に向けて、有機半導体材料への注目が高まっております。有機半導体材料は、その配列を精密に制御することが必要です。これまで、ルブレン誘導体について大面積の単結晶作製技術の開発に取り組んできてきました。今後は、さらに実用性を見据えた有機半導体材料の配列制御技術の開発に取り組んでいきます。

教員からのメッセージ

加藤先生より
有機化学は暗記ではなく、無限の可能性を秘めた研究分野です。π共役分子は、多様な光および電子との相互作用を持つ大変魅力的な機能性材料です。大発見の期待を胸に、新しい光電子材料の開発を一緒に考えていきましょう。

電気電子系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。

お問い合わせ先

特任教授 加藤隆志
E-mail : takashi.a.kato@fujifilm.com
Tel : 045-924-5181

※この内容は2016年3月発行の電気電子系パンフレットPDFによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。

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