電気電子系 News
プラズマの環境・電力・材用応用
電気電子系では、最先端の研究施設と各分野で活躍中の教員の直接指導により、学生でも世界に誇れる研究成果を出し、自分自身で発表することができます。電気電子系には、大きく分けると「回路」「波動・光および通信」「デバイス」「材料・物性」「電力・エネルギー」の5つのグループがあります。各教員はいずれかのグループに所属しており、研究室単位での研究が行われています。
研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、プラズマを用いた高度水処理や殺菌、高速動作する直流遮断器の実現などを目指して研究する、安岡・竹内研究室です。
研究分野 | プラズマ工学、高電圧工学、電力工学、静電気工学 |
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キーワード | 気液界面プラズマ、高度水処理、ハイブリッド直流遮断器、材料改質、プラズマ液体界面反応制御 |
Webサイト | 安岡・竹内研究室 |
気液界面プラズマの基礎反応過程の追求と、実用化研究を進めています。現在世界的な水不足と環境保護の高まりに対応して、水再生はエネルギー確保に並ぶ最重要課題です。自動車産業、半導体産業、シェールオイルなどの新エネルギー産業、どれをとっても難分解有機物を含む水を排出し、環境汚染の原因となります。気液界面プラズマは、OHラジカルといった反応性の極めて高い活性種を生成し、難分解有機物の無機化・無害化が可能です。水問題に関する社会の要求を理解し、課題を抽出して実験を行い、解決していきます。
大規模太陽光発電や洋上風力発電といった分散型電源の普及や、直流送配電の増加に伴い、直流遮断器の需要が高まっています。事故発生時には遮断器により電流を直ちに遮断する必要がありますが、直流は電流零点をもたないため、電流遮断が困難です。そこで、通常時の電力損失が小さく、かつ事故電流の高速遮断が可能な、電気接点と並列に半導体素子を挿入したハイブリッド直流遮断器の研究を進めています。
グラフェンなどの炭素系材料は、優れた電気・熱的特徴を有するため、燃料電池の触媒担持体や導電インクなどへの応用が期待されています。しかし、炭素系材料は一般的に疎水性を示し、溶液中での使用が困難です。そこで、気液界面プラズマにより生成されるOHラジカルを利用して親水性を付与するといった、炭素系材料の改質を行っています。
気液界面プラズマで生成されるOHラジカル(・OH)は、水中難分解性有機物の分解が可能ですが、OHラジカル同士が結合して生成される過酸化水素(H2O2)が有機物分解反応を阻害することが問題でした。そこで、オゾン(O3)を処理液に供給し、過酸化水素とオゾンの反応によりOHラジカルを再生するプラズマ・オゾン法により、水中難分解性有機物の高速・高効率処理を実現しました。
どの電気機器でも事故時には電流を遮断しますが、直流の遮断は困難です。この目的で開発されたハイブリッド遮断機は、電気接点・半導体素子・バリスタが並列接続され、電気接点を開いて発生させるアーク放電の電圧で半導体素子に電流を移動させて遮断します。私たちはアーク放電なしに遮断する方法を初めて開発し、放電による接点損耗の防止を実現しました。
グラフェンは疎水性を示すため、水中に分散させることができません。しかし、グラフェンを含んだ溶液にプラズマを照射すると、グラフェンにOH基と呼ばれる官能基がついて親水性をもち、水中に分散させることができます。
水中気泡内プラズマなどの気液界面プラズマにおいて、プラズマ、処理液、およびそれらの界面での基礎反応過程と、それぞれの相互作用の理解を目標としています。
電気電子系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。
教授 安岡康一
E-mail : yasuoka@ee.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2185
講師 竹内希
E-mail : takeuchi@ee.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2566
※この内容は2016年3月発行の電気電子系パンフレットによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。