電気電子系 News
機能性界面の制御による次世代電子デバイスの創出
電気電子系では、最先端の研究施設と各分野で活躍中の教員の直接指導により、学生でも世界に誇れる研究成果を出し、自分自身で発表することができます。電気電子系には、大きく分けると「回路」「波動・光および通信」「デバイス」「材料・物性」「電力・エネルギー」の5つのグループがあります。各教員はいずれかのグループに所属しており、研究室単位での研究が行われています。
研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、機能性界面の制御による次世代電子デバイスを創出する、角嶋研究室です。
デバイスグループ
電気電子コース
研究室:すずかけ台キャンパス・S2棟708号室
准教授 角嶋邦之
研究分野 | 電子デバイス、異種材料界面制御、プロセス |
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キーワード | パワーデバイス、太陽電池 |
Webサイト | 岩井・角嶋研究室 |
今後の省エネ社会を実現するためには大規模集積回路を利用した高効率なエネルギー制御が必須になります。そのためには高性能は半導体デバイスが必要になりますが、同時にデバイス自身の消費電力を抑制する必要があります。高性能・低消費電力の半導体デバイスを実現するためには新しいデバイス構造や新しい材料を導入することが必要です。半導体デバイスは異種材料の界面の性質を利用して動作してきました。そのため、新構造や新材料の異種材料界面の潜在的に有する機能を最大限に引き出すことが高い性能を持つデバイスの実現に繋がります。本研究室では理想的な異種材料界面を実現するプロセスを考案し、デバイス試作を通じて実証する研究を行っています。
AlGaN/GaN HEMTは高効率な電力変換が期待されるデバイスです。基板の品質やデバイスの信頼性を含めて様々な課題が山積している状況ですが、界面制御技術を用いて一つずつ研究を進めています。最近はしきい値の制御が可能なゲート絶縁膜材料として酸化ランタン膜の検討や高い信頼性が得られるポリシリコン電極材料を検討しています。
シリコンカーバイド(SiC)は社会インフラの高電圧を用いる領域で高い効率で電力変換を行うデバイスです。更なる高効率化と安定性を得るためにゲート絶縁膜、ショットキー電極材料など界面制御技術に基づいて検討を進めています。
シリコンを10nm以下のサイズに小さくすると量子効果によってバンドギャップが大きくなります。この特性を利用して太陽電池の開放電圧を大きくし、変換効率を高くすることが期待されています。本研究室ではナノワイヤ太陽電池を実現するために解決すべき課題の抽出を行っています。
電気電子系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。
准教授 角嶋邦之
E-mail : kakushima@ep.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5847
※この内容は2016年3月発行の電気電子系パンフレットによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。