電気電子系 News
新材料・新機能素子技術による電子デバイス: ナノデバイスからパワーデバイスまで
電気電子系では、最先端の研究施設と各分野で活躍中の教員の直接指導により、学生でも世界に誇れる研究成果を出し、自分自身で発表することができます。電気電子系には、大きく分けると「回路」「波動・光および通信」「デバイス」「材料・物性」「電力・エネルギー」の5つのグループがあります。各教員はいずれかのグループに所属しており、研究室単位での研究が行われています。
研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、ナノデバイスからパワーデバイスまで、新材料・新機能素子技術による電子デバイスを研究する、筒井研究室です。
研究分野 | 電子デバイス、電子材料・プロセス、結晶成長 |
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キーワード | パワーデバイス(Si、AlGaN/GaN)、立体チャネルトランジスタ、半導体中不純物の原子レベル3D解析 |
Webサイト | 筒井研究室 |
シリコン大規模集積回路(LSI)からパワーデバイスまで、半導体電子デバイスは大きな進歩を遂げ、それは将来にわたり我々の社会を支える高度な基盤技術です。本研究室では、新しい材料技術、デバイス技術、プロセス技術によるブレークスルーの提案、ひいては技術のパラダイムシフトの誘導をめざして研究を進めています。研究テーマとしては、ロングレンジの独自の研究から、近い将来の明確なターゲットを産学連携で推進するものまで、同時にとり組んでいます。また、これらの研究テーマの多くは、角嶋研究室、若林研究室等との連携で進めています。
半導体に不純物をドーピングしてp形、n形の導電性を制御するのは半導体デバイスの重要な基礎技術ですが、デバイスの高性能化を果たすためには、この不純物ドープにも極限的な特性が求められます。デバイスの低損失化のために非常に高濃度の不純物ドープを行うと、不純物原子が半導体結晶の格子構造にきちんと取り込まれず原子クラスター等を作り電気的特性が劣化します。しかしこのメカニズムは充分に解明されていません。この課題解決を目指し、大型放射光施設(Spring-8)での光電子ホログラフィーなどの新しい手法を使い、不純物の3次元的な原子配列構造を解明する研究を行っています。
シリコンを直系ナノメートルのオーダーまで細くしたシリコンナノワイヤーは、電子から光まで多くのデバイス技術として関心が高まっています。当研究室では太陽電池への応用を目指した研究を行っています。最も広く普及しているシリコンを用いながら従来の層構造から高密度のナノワイヤー構造にすると発電効率の顕著な向上が期待されます。しかし、ナノワイヤーの表面制御技術や、ナノ構造への不純物ドーピングなど、実用化に向けて課題も多くあります。微細トランジスタでの研究蓄積も基礎としてその克服に向けて研究を進めています。
電気電子系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。
教授 筒井一生
E-mail : ktsutsui@ep.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5462
※この内容は2016年3月発行の電気電子系パンフレットによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。