電気電子系 News
次世代光通信のための光デバイス/光集積回路、極低電力光デバイス、Siフォトニクス
電気電子系では、最先端の研究施設と各分野で活躍中の教員の直接指導により、学生でも世界に誇れる研究成果を出し、自分自身で発表することができます。電気電子系には、大きく分けると「回路」「波動・光および通信」「デバイス」「材料・物性」「電力・エネルギー」の5つのグループがあります。各教員はいずれかのグループに所属しており、研究室単位での研究が行われています。
研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、薄膜光集積回路で超低消費電力・超高速データ処理を実現する、荒井・西山研究室です。
研究分野 | 光エレクトロニクス・量子電子工学 |
---|---|
キーワード | 光通信、光インターコネクション、半導体レーザ、Siフォトニクス、半導体材料、メタマテリアル |
Webサイト | 荒井・西山研究室 |
50年以上も前、私たちの生活を大きく変える一つの歴史的な出来事がありました。世界初となる半導体レーザ発振の成功です。以来、先人達は次々に技術革新を実現してきました。石英光ファイバの極低損失化と波長1.5-1.6ミクロン帯で動作する半導体レーザの実現とその高性能化に伴って、電信は光ファイバ通信へと姿を変え、インターネットやスマートフォンなどの通信を支える基幹技術となりました。
近年では、光ファイバ通信はスーパーコンピュータの中まで浸透し、高い処理能力と低消費電力化に大きく貢献しております。当研究室では、光通信の基盤となる光源を中核として、将来の光集積回路構築のための新しいアイデアの提案とそれを実現するための基盤技術の開拓を行っています。
そのような背景のもと、当研究室では、ローカルエリアネットワーク(LAN)からオンチップ光配線までを視野に入れ、光源である半導体レーザを中心とした次世代の通信用光デバイスの研究開発を行っています。これまでLSIの微細化・高密度化とともにムーアの法則に従って向上してきたプロセッサの処理能力は、電気配線の伝送遅延、電磁干渉ノイズ、および消費電力の急激な増大により限界に近づきつつあります。こうした電気配線による伝送限界を解消する技術として、シリコンの微細な光導波路をLSIチップ上に張り巡らせて、光によりチップ間やチップ内での信号伝送を行なう「オンチップ光配線」が注目を集めています。
私たちは、将来的なオンチップ・オンボード光配線への応用を念頭に、シリコン基板上極低電流動作半導体レーザ搭載集積光回路、SOI(Silicon on Insulator: 絶縁体上のSi)基板上におけるシリコン・化合物半導体混載大規模光集積回路、従来に比べて超高速変調を可能とするトランジスタレーザ、そして自然界にはありえない光特性を生み出すメタマテリアル光素子など、様々な革新的な光集積デバイスを提案し、その実現と産業応用に取り組んでおります。
研究テーマは、新規の人工材料および素子から「極めつけ」の性能を有する光デバイスと集積回路まで、"For the first time"あるいは "A record Low/High"と言えるような目標を設定できる課題を念頭に、学生諸君と決めております。研究室の先輩の成果の一例を以下に挙げます。
毎年、多くの学生諸君が卒業しており、それぞれが、研究成果を国内学会、国際会議、英文学術誌に発表しています。詳細は下記の研究室ホームページで確認してください。
わたしたちも学生時代から、独自の着想やアイデアを基に達成した研究成果を国内学会および国際会議で発表したり、英文学術誌に論文掲載する機会に恵まれ、「学生でも世界初や世界一といえる研究発表ができる」ことに驚き、感激しました。修士課程学生で欧米の国際会議に参加して発表する機会も多くなっていますので、みなさんにも是非同じような経験をして頂き、大学院修了時には一回り大きくなって巣立って欲しいと願っております。
毎年4-5月の新入生歓迎旅行(1泊2日)、8月の光通信研究会(他大学を含め200名規模の夏合宿)、12月の忘年会、 2~3月の卒業旅行(1泊2日)など、研究だけでなく記憶に残る時間を持ちたいと思っています。
電気電子系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。
教授 荒井滋久
E-mail : arai@pe.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2512
准教授 西山伸彦
E-mail : nishiyama@ee.e.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3593
※この内容は2016年3月発行の電気電子系パンフレットによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。