電気電子系 News

阪口研究室 ―研究室紹介 #5―

第5世代セルラネットワーク(5G)/ミリ波超高速無線LAN(11ay) /無線センサネットワーク

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2016.06.29

電気電子系では、最先端の研究施設と各分野で活躍中の教員の直接指導により、学生でも世界に誇れる研究成果を出し、自分自身で発表することができます。電気電子系には、大きく分けると「回路」「波動・光および通信」「デバイス」「材料・物性」「電力・エネルギー」の5つのグループがあります。各教員はいずれかのグループに所属しており、研究室単位での研究が行われています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、携帯電話や無線LANなどの無線通信システムに関する研究・試作・標準化を行う、阪口研究室です。

准教授 阪口啓 助教 タンザカン

波動・光および通信グループ
電気電子コース
研究室:大岡山キャンパス・南3-1021
准教授 阪口啓別窓 助教 タンザカン別窓

研究分野 無線通信工学
キーワード 5G、無線センサネットワーク、無線電力伝送、位置推定
Webサイト 阪口研究室別窓

主な研究テーマ

携帯電話や無線LANなどの無線通信システムに関する研究・試作・標準化を行っています。

第5世代セルラネットワーク(5G)
  • ミリ波を活用するヘテロジニアスネットワーク
  • 小セル基地局のダイナミック無線リソース制御
ミリ波超高速無線LAN(11ay)
  • アクセスポイント連携ビームフォーミング
  • ミリ波マルチーザ・マルチチャネル多重通信
無線センサネットワーク
  • フィンガープリントを用いた携帯端末の位置推定
  • ワイヤレス給電で駆動するバッテリレスセンサ

最近の研究成果

第5世代セルラネットワーク(5G)に関する研究

ミリ波を活用するヘテロジニアスネットワーク

ダイナミック無線リソース制御

  • 4Gの1000倍のシステム容量を実現する第5世代セルラネットワークのアーキテクチャを提案
  • ミリ波小セル基地局をセルラネットワークに統合したヘテロジニアスネットワーク
  • 日本およびヨーロッパの各機関とMiWEBAコンソーシアムを結成し5Gの実証実験システムを構築
  • 2020年の東京オリンピックでの実用化を目指して 2016年より3GPPおよびIEEEにおいて国際標準化作業に貢献中

小セル基地局のダイナミック無線リソース制御

第5世代セルラネットワークの提案

  • ユーザの位置やデータ要求状況に応じて適応的に無線リソースを制御するアルゴリズムを考案
  • 4K動画ストリーミングなどの高速通信が必要なユーザには優先的にミリ波通信を適用することでネットワーク全体のQoSを向上
  • ユーザの分布状況に応じて基地局の電源を 適応的にON/OFF制御することでネットワーク 消費電力を削減
  • 多数の基地局が適応的に協調することでユーザの過密しているエリアに快適なサービスを提供

ミリ波超高速無線LAN(11ay)に関する研究

アクセスポイント連携ビームフォーミング

広帯域ベースバンド信号処理回路

  • WiFiコーディネータが複数のミリ波APのビームフォーミングを連携制御するアーキテクチャを提案
  • ミリ波AP間の干渉を自律分散的に回避しつつスループットを最大にするビーム制御プロトコルを構築
  • 2015年度にはミリ波APを用いた実証実験により提案法の有効性を検証

ミリ波マルチユーザ・マルチチャネル多重通信

WiFiコーディネータによるミリ波APの制御

  • 60GHz帯は免許不要で2GHz帯域のチャネルを4つ束ねて通信できるため5Gの有力な候補
  • 各チャネルでは4ユーザまでの空間多重により高い周波数利用効率を実現
  • ユーザスケジューリングと組み合わせたRF帯でのビームフォーミングにより簡易な回路構成の実現
  • 現在広帯域信号処理ハードウェアにマルチユーザ・マルチチャネル多重通信を実装中

無線センサネットワークに関する研究

フィンガープリントを用いた携帯端末の位置推定

LED照明一体型ワイヤレス給電システム

  • 屋内における歩行者ナビやジオフェンシングなど のアプリケーションに要求される高精度な位置情報を提供するフィンガープリントを用いたWi-Fi屋内 測位システムを開発
  • 提案法はフィンガープリントとして位置依存性を 有する電波の特徴量を事前に学習し、推定時のデータと比較することで高精度な位置推定を実現
  • 屋内実験において平均推定誤差1mを達成

ワイヤレス給電で駆動するバッテリレスセンサ

携帯端末の屋内位置推定システム

  • 電波を用いたワイヤレス給電によって 屋内空間でセンサを電源線・電池なしで駆動するバッテリレスセンサネットワークを提案
  • 複数ポイントから電力を供給し面的なカバレッジを 実現するマルチポイント型ワイヤレス給電
  • 石川台1号館にLED照明に組込んだワイヤレス給電実証実験システムを構築
  • バッテリレスウェアラブル端末を現在開発中

教員からのメッセージ

阪口先生より
本研究室は、現在第5世代セルラネットワークの国際標準化に取り組んでいるため、日本のIT企業だけでなく世界の業界団体や研究機関と協力し研究開発を進めています。よって本研究室は、語学力を活用したい学生、世界がどうなっているのかを間近に感じたい学生には最適と思われます。また本研究室には920MHz帯などの無線局免許があり、実際の電波を使って無線通信の実験を行うこともできます。無線通信システムの研究・試作・標準化に携わってみたい方は是非本研究室へお越し下さい。

電気電子系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。

お問い合わせ先

准教授 阪口啓
E-mail : sakaguchi@mobile.ee.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3910

※この内容は2016年3月発行の電気電子系パンフレットPDFによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。

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