生命理工学系 News

好きを究めて知を生み出す〜東京科学大学発「知識製造業」を生み出すサイエンス・ブリッジ・コミュニケーターの挑戦〜

令和8年度第2回(通算第117回)蔵前ゼミ印象記

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2026.06.18

2026年5月15日、Zoom による遠隔講義にて、令和8年度第2回蔵前ゼミ(通算第117回)が開催されました。

蔵前ゼミは同窓生による学生・教職員のための講演会です。日本社会や経済をリードしている先輩が、これから社会に出る大学院生に熱いメッセージを送ります。卒業後の進路は?実社会が期待する技術者像は?

卒業後成功する技術者・研究者とは?など、就職活動(就活)とその後の人生の糧になります。

講師:藤田 大悟 先生

2005 東京工業大学 生命理工学部 生命科学科 卒業
2007 東京工業大学 大学院生命理工学研究科 分子生命科学専攻 修士課程修了


講師の藤田 大悟 先生(株式会社リバネス)

当日の印象記を、広瀬茂久名誉教授が綴りました。その一部をご紹介します。

 藤田さんは、好きなことは何でも とことんやりぬく少年だった。学生時代は、小中高生を対象にした実験教室にのめりこんだ。好き放題は学生時代の特権で、卒業したらいわゆるサラリーマン生活が待っているのだろうと思っていた時に、無謀にも「“好き”を仕事にしよう!」という人たちが現れ、藤田さんも仲間になった。巣立ちを意味する“Leave a Nest”に因んで有限会社「リバネス」を創設し、活動を開始した。約90名(2025年現在)の社員のほとんどがMSかDrという特徴を生かして、研究者視点を大事にする運営の中から、(1)イノベーションを呼び込む「QPMIサイクルという魔法」や(2)自分の好きを起点に、自分の知識と異分野の知識をブリッジし掛け合わせて新たな知識を生み出し、それを社会課題の解決につなげる「Science Bridge Communication」手法などリバネス独自の手法を編み出し、これら一連の仕事を新規の業態と位置づけて、『知識製造業』と呼ぶに至っている。

 演劇・演出/舞台監督も好きだという藤田さんのことなので、今回は趣向を変えて、舞台を教室から劇場に移した記録にしてみたいと思い、Geminiに相談したら、次のような案が送られてきた。私(広瀬)は藤田さんのスライドを文字起こしし(音声の文字起こしは時間がかかるので省略)、関連情報を 主としてリバネス社のWebページから集め、有料版Geminiに提供しただけだ。最終的には、図の作成と20%程の加筆をした。今回は、学生の皆さんに 優れた『AI使い』になって欲しいとの願いを込めて、Geminiとの共著でお送りする。

印象記の続きは以下のPDFよりご覧ください。

勝丸泰志蔵前ゼミ担当チーフ幹事

勝丸泰志(やすゆき、1977電気 司会)蔵前ゼミ担当チーフ幹事からのコメント

 この度は蔵前ゼミにご登壇いただきまして、誠にありがとうございました。好きから知を生み、その知によって他者(及び社会)の課題を、パートナー企業と共に解決することを事業とする、というお話だったかと思います。

 研究者と市民のギャップを研究者が直接埋めるというリバネスの原点を伺って、リバネスという会社がよくわかりました。サイエンスとテクノロジーをわかりやすく伝えることをコアコンピタンスとして、次世代育成と即戦力育成を並行して進められていることは、とても意義深い事だと感心しました。

 お話の中で印象に残った事ですが、これは多くの学生も同様だと思いますが、QPMIサイクルです。価値創造はPDCAではできないことは誰しも理解していると思いますが、では何なのかは、人によって色々な言い方がされていますので、このように明確に言語化されると認識が深まるように思います。ただし、PDCAは訓練で身につけることができますが、QPMIを習慣化するためには訓練とは違った何かが必要ではないかと感じます。

 これは、次のNESTに通じることかもしれません。STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育よりも、NEST(Nature、Engineering、Science、Technology)教育が必要との考えは、日本ではもっと意識されてよいことだろうと思います。

 QPMIについても、Nの観察がないとQは生まれないかもしれません。Nの観察が子供の時から習慣化されているとQが生まれやすいのではないかと考えますし、Nを観察する習慣が、成長と共に社会を観察する習慣に広がるかもしれません。

 QPがあっても、MIに進むことが難しいとの学生からの質問がありました。Q、P、M、Iの個々について、全てが得意な人は少なく、チームで活動することによってサイクルが回り出すのかなと思います。また機会がありましたら、そのあたりの事例をご紹介いただけると嬉しく思います。

 第2回蔵前ゼミが、豊富な事例と多くの貴重なメッセージが込められた、実り豊かな時間となりましたことに重ねてお礼申し上げます。最後に、藤田様のご健勝と益々のご活躍をお祈り申し上げますと共に、引き続き東京科学大学並びに蔵前工業会へのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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