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令和7年度第5回(通算第114回)蔵前ゼミ印象記

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2025.12.02

2025年10月24日、Zoom による遠隔講義にて、令和7年度第5回蔵前ゼミ(通算第114回)が開催されました。

蔵前ゼミは同窓生による学生・教職員のための講演会です。日本社会や経済をリードしている先輩が、これから社会に出る大学院生に熱いメッセージを送ります。卒業後の進路は?実社会が期待する技術者像は?

卒業後成功する技術者・研究者とは?など、就職活動(就活)とその後の人生の糧になります。

講師:茅原 英徳 先生

1988東京工業大学 工学部 電気電子工学科 卒業

1990東京工業大学 大学院理工学研究科電子物理工学専攻 修士課程修了


茅原 英徳 先生

講師の茅原 英徳 先生(日本電子計算㈱)

当日の印象記を、広瀬茂久名誉教授が綴りました。その一部をご紹介します。

 江戸時代中期から後期にかけて活躍した上杉鷹山(ようざん)が遺した言葉「為せば成る,為さねば成らぬ,何事も。成らぬは人の為さぬなりけり」が現代のIT企業社長を誕生させるのだから,実体験から生まれた言葉は不滅だ。兼業農家の長男として育った茅原さんは,ハンダごてを使ってトランジスターラジオを手作りするような理科少年で,理数系科目が得意だった。医学にも興味が芽生え,大学受験の頃には「ものつくり」で「医療」に貢献するべく「医用工学」分野に進みたいと思ったが,当時はそのような学科を有する大学は無く,工学に強い本学に進んだ。電子物理工学専攻で修士号を取得後,㈱NTTデータに入社し,希望どおり,医療・ヘルスケア分野のシステム開発に携わり,エンジニアとして技術を究める一方で,チームで大きな成果を出す楽しさや,顧客の要望を実現するためには組織を動かす必要があると感じたことが契機となり,自然な流れでキャリアの軸足を技術からマネジメントへと移し,今日に至っている。この間の業務内容や役職の変遷,キャリアに対する職業人としての意識変化が詳細に紹介された。就活生には進路を決める上で大いに参考になったに違いない。特記しておきたいのは,「社内では何でも気軽に質問して下さい。しかし,同じ質問を繰り返してはいけません」という新入社員へのアドバイスだ。

 上記 鷹山の言葉は,茅原さんの人生の中で自分流に消化され,こんな信念に進化している:「夢がある人は目標を立てる。目標を立てる人はシナリオを描く。シナリオを描く人は行動する。行動する人は夢が実現する」。夢は動いた人から叶っていくのだ。

印象記の続きは以下のPDFよりご覧ください。

勝丸泰志蔵前ゼミ担当チーフ幹事

勝丸泰志(やすゆき、1977電気)蔵前ゼミ担当チーフ幹事からのコメント

 この度はお忙しい中を蔵前ゼミにご登壇いただき、誠にありがとうございました。講義ではNTTデータ通信株式会社に入社されてからのご経歴を詳細に説明され、学生は経営者になる方の歩みを知ることができたと思います。また、一つの会社にいても技術者、マネージャー、人事、子会社経営、本社経営と多様な仕事を経験する可能性についても知ることができたと思います。多くの学生は、研究者や技術者としての歩みしか想像できないと思いますので、この度のご講演は貴重な経験だったのではないでしょうか。

 茅原様が担われた各役割ごとに学んだことをご紹介いただきました。学生は考えなければならないことの多様性に驚いたのではないでしょうか。講義の中で、学生時代では体験できない多くのキーワードがありました。いくつか例を挙げてみますと、チームで仕事、お客様、ステークホルダー、職場の文化・風土に馴染む、リレーション、マネジメント、人の側面(ヒューマンスキル)、環境・技術は変わるなどです。

 質問にも今回の講義の特徴が現れていました。

  • ・マネジメントされる側の心得、
  • ・一度社会に出てから大学院に入り再度就職する人に求められること、
  • ・博士課程まで進むつもりだが先を見る力をどうやって身につけるか

などは良い質問だったと思います。最後の質問に対して、その技術をなぜ重要と思うか、なぜ自分はそれを極めたいのかを考えよとのアドバイスを学生が実践してくれることを望みます。

 Q&Aの中で、ジョブ型雇用に対する理解のお話がありました。環境・技術が変わる中で同じことをしていては、そのジョブは衰退する。ジョブ型であっても内容は時代に合わせて変えて行かなければならないことは、私もジョブ型に対する理解を改めることができて有意義でした。

 この度のご登壇に重ねて御礼申し上げますとともに、茅原様のこれからの益々のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。今後とも東京科学大学並びに蔵前工業会へのご支援を賜りますようお願い致します。

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