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佐野研究室の若月圭眞さんが2024年電気学会 電力・エネルギー部門大会にて電気学会優秀論文発表賞を受賞

直流送電システムの経済的な保護手法に関する研究

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2025.10.03

佐野研究室の若月圭眞さん(電気電子系 M2)が、2024年9月4日~6日に大阪公立大学 中百舌鳥キャンパス(大阪府)にて開催された令和6年 電気学会 電力・エネルギー部門大会において電気学会優秀論文発表賞を受賞しました。

翌年の学会にて行われた表彰式

翌年の学会にて行われた表彰式

萩原研究室の鈴木温也さん(M2)

賞状とメダル

受賞概要

 受賞者

若月 圭眞(電気電子系 M2)

 賞

電気学会優秀論文発表賞

 タイトル

多回線直流送電における低速直流遮断器の適用可能性の検討 ―制限電圧の緩和によるアレスタ消費エネルギーの低減―

 学会名

令和6年 電気学会 電力・エネルギー部門大会

 受賞日

2025年9月18日

 この研究はどんな内容で、どのように世の中の役に立つことが
 期待できるのでしょうか?

近年、洋上風力発電の電気を陸上へ効率的に送る方法として、「直流送電システム」が注目を集めています。特に、高度な直流送電システムを実現する上では、故障が発生した際に、当該区間を切り離す「直流遮断器」が重要な役割を担います。従来、この直流遮断器には、極めて高速な動作が必要とされてきました。しかし、これを可能とする「ハイブリッド式」直流遮断器は構造が複雑で高コストであるという課題があります。

これに対し、本研究はあえて低速(=低スペック)ですが安価な「機械式」直流遮断器に着目しました。機械式はその低速さゆえに、過電圧から機器を守る保護装置「アレスタ」に過大な負担がかかるという課題がありましたが、本研究ではそのアレスタの制限電圧を見直すという設計アプローチを提案。シミュレーション検証により、アレスタの負担を大幅に低減できることを示しました。

本研究の成果は、高価な高速遮断器に依存することなく、安価な機械式遮断器を用いて安全かつ信頼性の高い直流送電システムを構築できる可能性を示すものです。これにより、洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの大規模導入のコストを低減し、その普及を加速させ、ひいては脱炭素社会の実現に向けた電力インフラの構築に貢献できるものと考えています。

 受賞の感想は?

この度、電気学会優秀論文発表賞という素晴らしい賞をいただけたことを大変光栄に思います。この場をお借りして、研究を支えてくださった先生方、研究室の先輩方、友人、両親に心より御礼申し上げます。特に指導教員の佐野先生には、研究室所属当初からマイペースに研究を行う私にも温かく、また丁寧にご指導いただきましたこと、重ねて感謝申し上げます。

来年度より社会人となりますが、電気の「研究」から離れても、電気の「勉強」は継続したいと考えております。3年間の研究室生活で得た経験と学びを糧に、社会に貢献できるよう、より一層精進していく所存です。

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