電気電子系 News
人工知能に向ける究極の記憶機能を開発したい
ファム:電子のスピンを用いた究極のメモリ技術の研究開発を行っています。しかし、これを実現するためには、高額な研究設備が必要で、多くの研究費の獲得が必要でした。幸い、私の研究を理解し、支援する国と国内外の企業から研究に必要な資金をご提供していただいています。
ファム:ありがとうございます。受賞者の4分の1は電気電子系の先生方であったと聞いています。電気電子分野は日本の基幹産業の1つだと思います。その中で活躍できて、光栄です。
ファム:人工知能には“記憶機能”が必ず必要になりますが、現在のメモリ技術では、電源を落とすとメモリが消えたり、記憶回数が制限されたり、容量が少なかったり、人工知能に適するメモリ技術がまだありません。そこで、私たちは電子スピンに着目し、人工知能のための究極の不揮発性メモリを研究開発します。このメモリが実現できれば、現在の人工知能チップの消費電力が大幅に削減でき、将来的にはエネルギー効率で人間の脳に近づけると期待しています。
ファム:80年代~90年代に日本の半導体産業がまだ世界トップレベルで、その先端技術を勉強しようと、電気電子系に進もうと思いました。今は半導体回路微細技術には東アジアが世界をリードしていますが、そろそろ微細化には限界が来ています。従って、人工知能を始め、微細化に依存しない新しい機能を開発できれば、日本の半導体産業の復権につながると思います。若い学生の皆さんにはチャンスがたくさんあると思います。
ファム:私たちが開発するメモリ技術が実際に使われて、高性能な集積回路のみならず、人工知能やIOTデバイスの消費電力を大幅に削減できることに貢献できればと思います。